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【プロ講師が語る大学共通テスト】広島の受験はどう変わる?(前編)

 
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広大研家庭教師部門編集部
《家庭教師事業部担当者合格実績》広島大学/広島市立大学/広島県立大学/熊本大学/徳島大学/島根大学/高知大学/北九州市立大学/福岡教育大学/早稲田大学/関西学院大学/関西大学/同志社大学/立命館大学/明治大学/中央大学/修道大学/安田女子大学〔その他の実績〕不登校児担当経験/ひきこもり生徒担当経験 (家庭教師対象地域:広島市,呉市,竹原市,三原市,尾道市,福山市,府中市,三次市,庄原市,大竹市,東広島市,廿日市市,安芸高田市,江田島市,府中町,海田町,熊野町,坂町,安芸太田町,北広島町,大崎上島町,世羅町,神石高原町+※日本全国(※オンライン受講に限ります))

こんにちは。広大研家庭教師部門編集部です。
今回の記事は大学入学共通テストに関する記事です。

2019年12月20日の段階で英語民間試験、記述式問題の両導入が見送らる事が確認されています。既に多くの報道機関が本決定を取り上げており、現高2生以下の多くの生徒さんやその保護者の方々が関心をお持ちではないでしょうか?

我々広大研家庭教師部門も本決定に対して独自の見解を持っています。

これからの大学受験はどうなっていくのか?具体的な勉強法はどのように変化するのか?そして広島での大学受験はどのように影響を受けていくのか?そういった大学入学共通テストにおいて、我々が持つ視点を今回は記載していきます。

内容が多岐に渡る為、
Ⅰ.前編(大学入学共通テスト導入の意図)→本ページ
Ⅱ.中編(これからの進路)
Ⅲ.後編(具体的な学習法)
と3つの記事に分けて記載していきます。
受験の重要性や考え方の前提についてはこちら、また塾の選び方についてはこちらの記事を併せてご参照ください。

こちらの記事もCheck⇒大学共通テストによる広島での志願者数の変動

現在の日本そして広島の学力は?

皆さんは現在の日本人の学力は世界と比較してどうなっているとお考えですか?OECDによるPISA国際学力テストの結果が今月初めに話題となりました。特に「読解力の低下」として報じられたこの一件ですが、実際はどうだったのでしょうか?

以下に掲載した図をご覧ください。

社会実情データ図録より引用

この図ですが、問題とされて報道されやすかったのは「日本の順位」でした。確かに順位も気になる所ではあります。しかし、問題はそこではないと私は感じています。獲得点数そのものの推移を見てください。その点数によると以下のような事が言えるのではないでしょうか。
「数学力は変化なく、科学力は若干の落ち込み初めが見られる。
そして、読解力は総じて低い」

また、順位も全体的な落ち込みを見せ始めていると確かに読み取れます。この落ち込みについても「先進国内での順位がどうなっているのか?」と見方を変えるとより危機感を煽られる結果だと考えています。

では、その中で広島はどうなっているのでしょうか?平成31年度の全国学力・学習状況調査の結果を見てみましょう。

(2)教科に関する調査の結果

○ 小学校は,国語及び算数において,平均正答率が全国を上回っている。
○ 中学校は,国語において,平均正答率が全国を上回っている。数学及び英語において,平均正答率が全国と同程度である。

小 学 校

中 学 校

国 語

算 数

国 語

数 学

英 語

平均
正答率
(%)

広島県

66

68

74

60

56

広島県
指定都市(広島市)を除く

68

68

74

60

55

全 国

63.8

66.6

72.8

59.8

56.0

※ 中学校英語の調査結果は「聞くこと」「読むこと」「書くこと」の合計を集計。

「平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果について」より引用

広島は小学生から中学生に上がるにつれて、学力の低下がみられるようです。確かに、中学でも全国平均を上回ってはいます。しかし、徐々に全国平均点を近づきを見せている事は課題点と言えるでしょう。

以上の事からこれからの日本に必要な学力をまとめてみます。
数学的センスはさておき、理系学問や文系学問をより専門性を持って学習できる人材。
こういった人材がこれからの日本には求められていくと考えられます。

こちらの記事もCheck⇒これからの日本を生き抜くための受験

現在の日本における学力の課題点

前項の通り、課題分野は国語力(≒読解力)と理系学問(≒科学力)と捉えられます。

  1. 国語力
    様々なメディアで報道されている通り、国語力の低下は間違いないでしょう。
    国語力とは語彙力、文章作成力、文章把握力を併せ持った力と同義です。
    原因を推察しだすとキリがないので、ここでは言及しないでおきます。
    ここで、私は「日本語を軽視する風潮」についてのみ触れておきます。まず、皆さんに「日本語が上手く話せない人のマネ」を想像して頂きたいです。例えば「私は彼にこの本を譲った」という文章があったとします。これを「私、彼はこの本に譲った」としてみるとどうでしょうか。日本語が上手く話せない人の感じが出てきました。
    これは日本語の助詞である「を、に、が」を移動させただけです。たかがひらがな一文字が場所を変えただけで、文意が通らなくなる。日本語が言語として「難しい言語」と評価を受けている根拠の一端を感じます。
    国語力の具体的な向上については後の記事で記載します。ここでは「普段の会話で日本語を軽視していませんか?」と疑問を投げかけるだけに留めておきます。
  2. 理系学問
    横道にそれますが、「理科離れ」という言葉がありました。不思議なもので、「理系の方が就職は有利」と騒がれだした頃からこの言葉は耳にしなくなった気がします。
    私も実は理科が苦手でした。理由は単純です。
    「問題が尋ねてる事がわからない。
    わかったとしても、その解答に必要となる知識をどう選択して良いかわからない」
    これからの理科に必要なのは国語力と類推力だと私は考えています。
    数学でも勿論、問われる力ではあります。しかし、理科においてはそれがより顕著に現れます。
    国語力とは先ほど述べた通り、問題文を読み込む力や答案を作成する力となります。実際の指導現場でも「問題が読めておらず、把握できていない」から解けない生徒さんが多いです。
    そして類推力とは、起きている事象を把握し、次に何が起きるのかを類推する力です。
    この2つの力に目を向けた学習を検討してみてはどうでしょうか。
こちらの記事もCheck⇒社会現象に左右されない自習力

2024年度に延期された項目

さて、今回延期が決まったのは以下の2点です。

  • 英語民間試験導入
  • 数学、国語における記述式問題の導入

延期されるに至った理由は各報道機関にお任せする事として、その導入による本来の文科省の意図を見ていきます。

英語民間試験導入

この意図は格式ばった文章よりも、より平易な文章の方が伝わると思われます。
ここでは2019年11月1日に発表された萩生田大臣(2019年11月当時)のメッセージより抜粋します。

「高校生にとって、読む・聞く・話す・書くといった英語4技能をバランスよく身に付け、伸ば
すことが大切なことには変わりがありません。
グローバル化が進展する中で、英語によるコミュニケーション能力を身に付
けることは大変重要なことです。皆様には、これからも日々の授業を大切にする
とともに、それぞれの目標に向かって努力を積み重ねて頂きたいと思います。」

大臣メッセージ(英語民間試験について)より引用

先に断っておきますが、私はここに政治的な思想を持ち込む事は決して本意にありません。このメッセージを抜粋したのはあくまで要点がまとめられており、しかるべき立場にある人の言葉だからです。
ただ、この言葉の真意はともかくとして、英語にはこれから「話す」も必要とされるという事に留意しなければならないのです。理系であろうが文系であろうが英語は必須とされています。
これは今後の日本人は英語をsecond languageとして実用可能としなければならない」という事です。机の上だけで英語を操っていてもダメであるという事です。センター試験にリスニング試験が導入されて久しく、次は「話す」を出来なければならないのです。

数学、国語における記述式問題の導入

これは文科省HPより抜粋し文を掲載しておきます。

「自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価」

文部科学省HP「大学入学共通テスト」について より引用

つまり「問題に対し、自身が導き出した解答を白紙から書き起こし、
根拠やその思考過程を明白に記す力が必要」
と私は読み替えています。
この力は生きていく上で必要となります。それは「主観」ではなく「客観性」による事象の把握、そしてそれへの対処へと繋がるからです。

この点については本稿をお読み頂いている中でも保護者の方々の方が実感頂けるのではないでしょうか。
いわゆる「頭でっかち」な知識だけ豊富な若者を量産してもこれからは意味がないのです。
そして、記述力には絶対的に国語力が必要である点は自明であり、その点を強調しておきます。

こちらの記事もCheck⇒【留学経験有】旧帝大プロ家庭教師が これからの英語対策について語る

今回の延期をどう捉えるのか?

以上の事から私が今回の大学入学共通テストにおける一連の延期騒動に対する私見を述べていきます。あくまで、1塾講師が自分が体験した経験や知り得た知識から述べているだけに過ぎません。
参考程度に読んで頂ければと思います。

まず、今回の延期は「残念」だと考えています。旧センター試験の撤廃と改訂には上記のような意図が含まれています。
今後の受験生が英語のコミュニケーション能力や記述解答作成力を意識する事は日本人として喜ばしい事であり、何も損のない事です。
私が高校生であった時「今後の世界を視野に入れると必要なのにどうして文科省はしないのだろう?」と疑問だったくらいです。

ゆえにこの延期は「世界に対して4年の遅れを更にとる」と同義だと危機感を感じています。
また、同時に長年来より構築されていた教育過程や大学受験のシステム変更は生半可な努力では成し遂げ得ない事なのだと実感もしています。
関係する行政の方々には、今後2014年の実現へ向けて頑張って頂きたいと切に願います。

確かに受験生の皆さんは振り回された事は間違いないと思います。
1年後の受験システムにおいて、このように騒がれるようでは先行き不安となる気持ちも理解できます。
ですが、国立大学の受験には結果的に記述による答案作成力が必要となる学部学科は多く見られます。そして、広島大学のようにスーパーグローバル大学として英語力を必要とする大学は今後増えていくと考えられます。
「振り回された」とボヤくだけではなく、「これからやってて損はない」と考えられる学徒となって頂きたいです。
大学受験の総論的な内容はこちらの記事に記載されていますので、是非ご参照ください。

こちらの記事もCheck⇒【小学生の保護者必見】中学受験保護者が知っておくべきポイント 5選

大学という機関の捉え方

次に、大学という機関の捉え方についても私見を述べていきます。

まず、大学とはブランドではありません。就職のために大学に行くという考え方は辞めた方が良いと思います。
何故かというと「そういう考え方をして大学に入った人にとって、大学での数年間はその為だけになってしまう」からです。
大学とは知識を得る為に通う機関です。より良い人生を送るために、広い知識を持つことに損はありません。
より良い人生に必要なための知識だけ、効率的に選択して取り入れていく事は無理です。必要な知識であるかどうかは、その後になってみなければわかりません
完全に持論ですが「必要な知識かどうか」を判断する時期が早い人ほど、人間的成長に早く頭打ちが来ます。

単位を取得するためだけに大学に通い、大学の講義でまともに知識を回収しない。こんな学生が非常に多いと感じます。
大学卒業までにかかる金額を確認してみてください。「その大学を卒業した」という事は、国家資格といったライセンスの代用にはなりません。

一方で、人生を左右するような進路決定を17や18の年齢の生徒さんたちに、させてしまう事が無謀だとも実感しています。
ですから、せめて自分が多少なりとも興味が持てる学部学科へ進んでください。この興味を持てる学問という表現も良くないですね。
これは「その勉強のためなら、嫌々でも机に座って始めれば、なんとなくやることが出来る」程度の感覚です。
興味を持てる対象の中に娯楽を入れて、比較しないでください。これを書いている私でさえ、何か勉強するよりも遊んでいる方が楽しいです。

そして、大学入学後の講義では出来るだけ多くの知識を回収してください。大学には、その講義に関する学問に人生を捧げている人たちがたくさんいます。そういったプロの知識人から知識を得る事の出来る環境をフル活用してください。

こちらの記事もCheck⇒広島で不登校等の対応をしてくれる家庭教師 3選

以上を踏まえた上で予想される広島の受験模様とその対策

まず大学受験は2024年までそこまで大きな変化は見られないでしょう。ただし、広島大学に見られるように英語民間試験については独自の採用基準を用いる大学が増加する可能性が考えられます。
また、大学共通テストのような選択式問題でも記述式問題を意識した出題が予測されます。具体的には「比較的長い問題文を正確に把握する力」がまずは求められるでしょう。
具体的な学習法については後編で記載します。そちらをご参照ください。

そして、今後の受験の対策として「なにがしかの形式変更が発表されても左右されない勉強法」を採用してください。「この問題にはこういったテクニックを用いて素早く解く」という指導に終始するような講師には注意してください。
今後の受験には幅広い知識と応用力が要求される事となります。

こちらの記事もCheck⇒広島の家庭教師 個人契約は大丈夫?プロ講師がメリット・デメリットを解説

最後に

以上、大学共通テスト導入における意図について記載しました。今回の大学共通テスト導入の延期は今後の日本にとって不幸な出来事だったと私個人は捉えています。その一方で、今後の受験における課題点が浮き彫りになった事であるとも捉えています。

広大研では今後の変わりゆく受験模様を考察し、その上で不偏の知識を皆さんに享受して頂けるように努めてまいります。本稿をお読みなって、少しでも心に響くものがあった方は是非当社の体験授業を受講してみてください。これからも多くの生徒さんたちと出会えることを楽しみにし、皆様からのご依頼をお待ちしております。

また、家庭教師事業部編集のブログ記事を以下の通り掲載しております。家庭教師事業部の教育に対する考え方がふんだんに書き込まれています。ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、是非ご一読ください。

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