広島大学文学部に合格するには?【プロが傾向と対策を解説】
皆さんこんにちは。広大研講師の橋本です。
今日は広島大学文学部人文学科の合格を目指す人に向けて、
広島大学文学部人文学科の入試分析及び合格の為の具体的な受験戦略について解説していきます。
是が非でも広大文学部に行きたいという人は最後まで読んで今後の学習の参考にしてください。
本記事の目次
広島大学文学部人文学科入試状況
まずは、広大文学部の入試について確認していきましょう。
具体的な科目や配点等があやふやな人は、ここできちんと確認しておきましょう。
入試科目・配点
入試科目及び配点ですが、以下の通りとなっています。表は『令和4年度 学生募集要項』から文学部の枠を抜粋しています。
まずは共通テストについてですが、前期試験・後期試験共に科目数に差はないことが分かります。
ただし、配点には差があります。前期試験の配点の欄を見てください。
前期試験では『地歴・公民』の配点が400点となっており、共通テスト合計点が1100点となっています。つまり『地歴・公民』が得意な人に有利な配点となっています。
逆を言えば『地歴・公民』が苦手な人には不利であるとも言えるので、社会科で点数が取れない人は優先的にこの2科目を勉強しましょう。
二次試験については、前期試験は『国語』『英語』を各400点の合計800点満点となっています。
共通テストと合わせて『国語』『英語』は配点合計1900点満点の内、1200点を占める(約63%)ため『国語』『英語』での得点が生死を分けますね。
共通テストの配点が1100点満点、二次試験の配点が800点満点とそれぞれ高い印象を受けるかと思います。
「高配点で難しそうだなあ、、、」と思う人も居るかもしれませんが、この高配点はチャンスです。
何がチャンスかと言いますと、
二次試験の配点が高い学部は 【逆転合格】が狙いやすい という特徴があります。
広島大学は他学部も同様ですが、共通テストで多少失敗しても、二次試験で挽回するチャンスが残されているので【逆転合格】が狙いやすいです。
結局、受験は「合計点勝負」なので、共通テストの点数が低くても二次試験で巻き返せれば十分合格の可能性はあります。
マーク系の試験が苦手という人でも(もちろん最低限得点すべきラインはありますが)、二次試験のような記述が得意だという人には非常に有利ですね。
では次に実際の「倍率」「合格最低点」を見ていきましょう。
倍率・合格最低点
倍率及び合格最低点のデータですが、広島大学のHPに掲載されている入学者選抜結果情報から前期試験のデータを引用しています。
共通テスト(センター試験)の合格最低点からも分かる所ですが、合格者は最低でも800点前後(約72%)の点数は確保しています。
科目によって得手不得手があるとは思いますが、合計点で70%以上は得点できるように各科目得点することを念頭に置いておきましょう。
平均点だけ見ても約80%と高水準での得点が求められるので、決して容易ではないですね。
また、個別試験ですが年度によって差はあれど、合格最低点は400点前後(約50%)と共通テストと比較すると低く感じますね。
それもそのはず、広島大学の二次試験科目である『国語』『英語』は共に高難易度を誇り、
特に『英語』は2021年度入試から傾向が変化(後述)したこともあり、そちらに合わせた対策も必要となります。
全体として見た時に、1330/1900点(約70%)以上を得点できていれば合格できると考えてください。
ここから、① 共通テストの得点 ② 二次試験の得点 をそれぞれどのように取っていくのかを逆算してもらえればと思います。
ここで一点注意してもらいたいことがあります。例えば、
「 ① 共通テストで60% ② 二次試験で80% を取ろう! 」のように二次試験に高得点を期待するのはあまりオススメしません。
前述した通り、広島大学の二次試験はかなり高難易度です。二次試験の合格者平均が60%程度であることからも分かる通り、ここで高得点を取るのは至難の業です。
そのため、基本的には共通テストでできるだけ高得点を取って、安心して二次試験を受験できる態勢を整えておくことを強く推奨しておきます。
受験戦略
広島大学文学部を受験する上で肝となるのが、① 共通テストの社会科 ② 二次試験『国語』『英語』 の対策です。
この2点の対策なくして広大文学部への合格はありません。
ここからは、特に重要な科目である『国語』『英語』及び『社会科』の学習について解説していきます。
具体的な勉強の内容やペースについて悩んでいる人は参考にしてください。
社会科対策
まず、社会科の科目選択についてですが、こちらは基本的には何を選んでも良い(公民の2科目選択は不可)と思います。
自分が勉強しやすいと思う科目を選んでください。
春から秋までに行うこと
地歴については、学校で習う範囲と合わせて「復習ベースで」勉強してください。余裕がある人は「予習」をしても良いとは思いますが、無理にはしなくていいです。
高1・高2で既習の範囲があって、そちらの内容が疎かになっている人は予習より先に、そちらの復習を行ってください。
基本は学校の教科書や資料集、授業プリント等で暗記を行い、合わせて市販の「マーク式問題集」等で学習範囲の問題演習を行ってください。これを秋頃までひたすら続けます。
公民科目も同様ですが、こちらは地歴と比べて範囲が狭いので他教科と併行することが難しい人は「秋から始める」といった計画でも問題ありません。
春から始めるのであれば、ペースは地歴とほぼ同じで構いません。
秋から行うこと
地歴は学校のペースで学習をしていると未習範囲がまだ残っているとは思いますが、この頃から総合演習も行いましょう。
共通テストの地歴(特に日本史・世界史)は単純暗記だけでなく、与えられた資料を基に解答していく設問も出題されるため総合演習等で実際の試験形式に慣らしておきましょう。
当然、未だ学習してない部分もあると思うので、そこについては「へえ~そうなんだ」くらいで構いません。逆に、既習範囲の問題は確実に得点できるようにしておきましょう。
これを共通テスト本番まで続けてください。
公民については、この時期から始める人も居るかと思うので、そちらに合わせて解説します。
地歴が上記ペースで進んでいれば、暗記範囲も終盤に近付き多少時間に余裕が出て来るので、ここで公民科目の勉強に本腰入れて取り掛かります。
まずは基礎的な知識詰めを約1ヶ月から1.5ヶ月で終わらせましょう。10月中に終わると理想的ですね。
その後、共通テストの過去問や市販の共通テスト対策の問題集で総合演習を行い、演習量を積んでください。
社会科は演習量がモノを言います(何も考えずにただ解けばいいって話では無いからね)。
「基礎知識詰め+範囲・分野別演習」→「総合演習」の流れを意識して年間の勉強計画を立ててください。
国語対策
広島大学文学部の国語は、「第一問:評論文」「第二問:古文」「第三問:漢文」を120分で解く記述形式の試験となっています。
共通テストが全てマークであることを考えると、出題形式が全く異なるのできちんとそれぞれに対応できるようにしておく必要があります。
春にすること
現代文は記述形式での学習を主に行います。
マーク形式の問題でも記述形式の問題でも、文章の読み方や考え方は変わりません。
マークであっても記述であっても、大切なのは「自分なりの解答を作る」ことです。
文章を読み、設問に目を通して後、自分なりに解答を作る作業がマーク・記述共に超絶怒涛に大切なので、
この訓練は早い段階から積んでおきましょう。
僕のオススメは、『入試現代文のアクセス 基本編(河合出版)』です。続編として『発展編』『完成編』もありますが、
記述現代文が苦手だという人は、まずは『基本編』から練習を始めていきましょう。
古文・漢文については、基礎的な古文単語や古文助動詞の識別、漢文の句法が頭に入ってない人はそこを最優先してください。
古文単語帳は個人が使いやすいもので構いませんし、助動詞やその識別の練習がしたいのであれば『ステップアップノート』等を使うことをオススメします。
上記に問題ないの人は、『古文上達』『マーク式基礎問題集』等で読解演習を行いましょう。
その演習の中で、単語や句法に抜けがあればその都度確認をしてください。
夏にすること
現代文は変わらず記述形式での演習を続けてください。
『アクセス』を続けるでも良いですし、『得点奪取』等で少しステップアップした演習問題を行うでも良いと思います。
古文・漢文も『得点奪取』等でそれぞれ記述問題の演習を重点的に行うことを推奨します。
秋にすること
秋からは現代文・古文・漢文全てにおいて、『共通テスト』『センター試験』の過去問を解いていきましょう。
学校で演習している部分もあるかと思いますが、きちんと「時間を測って」通しで演習をしていきましょう。
この秋から共通テスト本番までの期間でマーク形式の演習をたくさん積んで、時間や形式に慣れていってください。
共通テスト後にすること
ひたすら過去問演習です。最低でも10年分は行ってください。
過去問を10年分位やった後は、広大オープンの過去問などでさらに演習を積みましょう。
英語対策
英語も国語同様に、文学部合格の為の要です。
冒頭でも述べた通り、2021年度入試から傾向が変化しました。
「要約」問題については、「文章全体の要約」 → 「段落ごとに要約」
「長文」問題については、「超長文(文章を複合して1題として出題)」となっています。
年間通して心がけてほしいことが、英単語は「毎日」繰り返し学習することです。
特に単語帳の指定はしませんが、オススメは『キクタンリーディング』です。
単語だけでなく、その単語を使った文章がテーマごとに載っていて、単語の語法も勉強することができます。
また、専用の音声アプリを使ってリスニング教材としても使用できるので、1年かけて『Basic』『Advanced』の2冊をマスターしましょう。
春にすること
まずは、英文を読んでいくための下地づくりをしましょう。
英文の構造を丁寧に把握する、いわゆる「英文解釈」と呼ばれるものです。
英文解釈系の参考書は多くありますが、オススメとしては『基本はここだ』です。この英文解釈を4月~6月で完璧にしましょう。
自分でSVを振り分けての文型把握をしたり、文中における修飾関係などが理解できるようになれば第一段階はクリアです。
夏にすること
夏期はかなりハードです。
まず二次試験対策として「英作文」の練習を行います。
『英作文のトレーニング』等で英作文の基本的な書き方や、英語における自然な表現を覚えていきましょう。
また、英文解釈も一段落ついていると思うので、ここからは長文読解も併行して行います。
長文については1日1長文は読むことを心がけましょう。
その際に、春にやった英文解釈の知識等を意識しながらできると良いですね。
秋にすること
秋からは共通テストの過去問等を使って演習を行いましょう。共通テストのリーディングは時間がかなりシビアです。
制限時間いっぱい集中して問題を解き切る体力をつけるという意味でも、過去問演習を可能であれば1日1年分は解きましょう。
共通テスト後にすること
国語と同様にひたすら過去問演習を行いましょう。
10年分は解き切ったら、オープン模試等でさらに演習を重ねてください。
また『要約問題』『英作文』は学校や塾の先生に必ず添削をしてもらい、自分がどの程度解けているのか点数化してもらうようにしましょう。
まとめ
長々と話してしましましたが、いかがだったでしょうか。
本当は参考書のより具体的な使い方等も話したかったのですが、今回は尺の関係で割愛させてもらいます。
広大文学部を目指すのであれば、春の内から基礎を固め、二次試験レベルの記述力を養成していくことが必要不可欠です。
また、今回取り上げた学習ペースや参考書はあくまで成功の一例です。これが全てというわけではありません。
人によって参考書の適不適がありますし、ペース及び理解度だってそれぞれだと思います。
大切な事は、『自分に合ったペースで』『正しく努力する』ことです。
愚直に努力することは美徳ではありません。
自分の時間を無駄にしないためにも、きちんと計画を立て、常に最適を考えながら学習する習慣を付けましょう。
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