広島大学薬学部薬科学科に合格するには【プロが傾向と対策を解説】
こんにちは
広大研公式ブログ編集部です。
前回の「広島大学工学部に受かるためには」に引き続いて,
薬学部薬科学科に合格した講師に記事を書いていただきました。
今回の担当は加藤太樹です。
※本記事は2019年度に薬学部薬科学科に合格した加藤太樹が書いています。
入試科目・配点
5教科7科目(900点満点)
【国語】国語(200)
【数学】数IA必須,数IIB・簿記*・情報*から1,計2科目(200)
【理科】化必須,物・生から1,計2(200)
【外国語】英・独・仏・中・韓から1[リスニングを課す](200[40])
《社会》世B・日B・地理B・「倫理・政経」(100)
※理科は、基礎科目の選択不可・選択→地歴・公民から1
3教科(1200点満点)
【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)・数III(400)
【理科】「化基・化」必須,「物基・物」・「生基・生」から1,計2(400)
【外国語】コミュ英語I・コミュ英語II・コミュ英語III・英語表現I・英語表現II(独・仏・中の選択可)(400)
入試結果
センター平均点75%(675点)
2019年度合格最低点
センター試験 660点 / 900点 2次試験 512点 / 1200点
総合得点 1188 / 2100点
センター試験の合格最低点は広島大学の中では高いので、確実に75%を越えるようにしよう!
受験戦略
基本的には数学、化学の勉強+理科の3科目を中心に勉強をしていこう。
理科科目選択について
私は受験の科目選択で化学と生物を選択した。化学は必修であるため、学校の授業は日々復習を頑張ろう。
2科目目として、生物と物理があるが、私は生物を選択することを勧める。
生物を選択するメリットとしては基本的に暗記であるためコツコツやっていれば確実にセンター9割以上を取ることができる。
また、生物において暗記は一つ一つ内容がつながっているため暗記しやすい科目である。
デメリットとしては、2次試験になると論述が増えてしまう点である。
物理を選択するメリットとしてはセンターで基本をきっちりと理解できていれば、2次試験も6割は楽にとることができる。
デメリットとしては、一朝一夕で覚えることができないので演習に膨大な時間を要する。
以上のことをふまえて考えると、暗記が得意な人は生物を選択したほうが点数はとりやすいだろう。
計算が得意な人は物理でも良いと思う。参考までに私の周りの友人は物理8:生物2くらいの割合です。
さらに生物を選択しておくと薬学部に入ってからは生物の知識があるほうがより理解が深まるので、大学で学ぶ際も有用な知識である。
受験計画
生物
春・夏にすること
まず生物は「基本的に覚えてしまえば点数になる科目である」ので勉強方法は暗記がメインとなってくる。
一般的な受験生は単語を覚えることで終わりにしてしまうが、個人的には道筋を立てて論理的に思考を整理しながら覚えることをおすすめする。
なぜなら、単語ごとに点で覚えるよりも、それぞれの単語で道筋を立てて線として覚えたほうが記憶として強化されやすい。
また、2次試験での論述の際には線で覚えている方が高得点を狙えるだろう。
比較的時間の余裕がある春~夏休みのうちに「マーク式問題で7割」はとれるように仕上げておこう。
秋にすること
私は「リードライトノート」という問題冊子を使ったので、参考までにおすすめする。
これは文系向けの問題冊子であり要点がまとまっているため、基本を押さえるのにとても向いている。
やり方としては1カ月以内に最低2周し、基本的な部分のアウトプットの練習をする。
参考の目安としてこの問題冊子が完璧になったらセンター本試験で7割をとることはたやすくなる。
2周した段階で、マーク模試の過去問などを解き、自分の実力を確かめてみるのもいいだろう。
そして、さらにステップアップを目指す人は「基礎問題精講」もしくは「生物セミナー」のどちらか一冊を毎日10問は解いていこう。
これで広島大学の2次試験まで通用する深い知識を身につけることができ、論述対策としても有用だろう。
生物の特徴的な考察問題である実験考察問題の出題形式はすべて一緒なので量をしっかりとこなせば問題ない。
冬にすること
センター試験の演習をしていき、分からなかった問題は資料集を読み込んだり、先生に質問をしよう。
この段階では人に説明できるレベルを目標に学習する。
そのレベルに到達することができれば、センター試験9割を取ることも容易いだろう。
2次試験対策
センター試験で約9割を取ることができるレベルの人にとっては難しい問題は出ないと思う。
「生物重要問題集」を毎日最低2時間は解いて、論述の練習をやる。
復習には資料集を使ってその問題を調べることを強くお勧めしたい。
資料集で調べるとその問題の周辺知識も付くため、ふとした問題で役立つことがよくある。
先生に質問することやインターネットを使って調べることよりもおすすめだ。
※広島大学科目対策は「広島大学2次対策生物」で詳しく記載しているので、もしよければ読んでみてくださいね。
化学
春・夏にすること
化学は「基本的に知識量がものをいう科目である」ので勉強方法は問題演習をひたすら繰り返すという形になってくる。
特に理論分野は幅広く苦手な人も多くかなり差がつきやすい。
個人的には反応速度のあたりが特に苦手な人も多いイメージなのでその単元をとれるととても有利に進められるだろう。
また、二次試験では論述問題と計算問題があるがどちらも難易度は高い。
そのため、センターで出るレベルの計算程度は解けなくては正直合格は厳しい。
時間に余裕のある夏のうちに理論分野は「マーク式問題8~9割」はとることを目標に勉強しよう。
秋にすること
この時期は有機の問題は慣れておかないと問題を解けるようにならない。
そのため、秋には有機の問題を演習しよう。
有機の問題で特徴的なのが「構造決定の問題」である。
構造決定の問題を解くには有機物質それぞれの性質を把握していないと説くことはできない。
しかし、構造決定の問題に出てくる性質はある程度決まっており、またそれぞれの性質に決まり文句のようなものもあるため、とにかくたくさん問題を解いて慣れてしまえばいい。そうすれば有機満点も難しくない。
冬にすること
マーク演習をしながら暗記分野である無機をその物質の色や反応がすぐに頭に浮かぶ程度に覚える
この時期はマーク式の問題演習をしながら記憶に残る無機の勉強をしよう。
無機は暗記の分野なのでこの時期に復習を始めても問題はない。
無機は覚えて慣れてしまえば全く難しくないので、この時期までにマーク式問題を総合で8割強とれていれば問題ないだろう。
2次試験対策
化学はセンター試験と二次試験の筆記では難易度が格段に変わってくる。
そのため、二次試験の問題形式にひたすらなれる必要がある。
赤本10年分や重要問題集を1周は解いて筆記の形式に慣れておけば、センター8割強とれているなら二次試験でも6割はとれるだろう。
数学
春・夏にすること
まず「大前提として数学はその問題に対する解法に至るまでの考え方を知っているか」がすべてだ。
そのため1問でも多くの問題に触れる必要がある。
そこでおすすめの勉強方法としては何冊もの問題集をこなすのではなく一、二冊の問題集を何周も何周も繰り返し答えを覚えているレベルまで練習しよう。
そうすることで問題を見たときに解までの道のりを頭に描くことができるようになり問題に取り組むスピードも上がるだろう。
また計算スピードもとても大事なので日常的に見た数字で遊んでいると数字になれることができてよいだろう。
そこでまず、春と夏にはチャートや学校で配られる問題集を8月末までに最低1周することを目標に、計画的に勉強しよう。
秋にすること
この時期には数Ⅲを本格的に勉強しよう。
数Ⅲは筆記でしか使わないが勉強しておけばIA,IIBに対する理解が深まるのでより問題は解きやすくなるだろう。
実際にやることは基礎の定着を目指して教科書に載っている問題をマスターしよう。
冬にすること
センター試験演習を始めよう。
数学のセンター試験はスピードが命なので時間を意識しながら演習しよう。
具体的な時間としては、数学IAでは、第1,2問を合わせて30分、選択問題をそれぞれ10~12分で
数学IIBでは、第1,2問を合わせて35分、第3,4問はそれぞれ10分ずつを目標として練習していこう。
2次試験対策
センター試験で9割をとったことができた人でも、二次試験はレベルが違う。おごらず勉強を続けよう。
赤本を解くとわかるが非常に難易度が高い。
赤本を2周以上解き同じレベル帯の同じ問題傾向のほかの大学の入試問題も解くことで慣れておく。
まとめ
薬学部薬科学科合格への道はシンプルに数学と理科科目を一点集中で勉強するのがいいと思います。
来年皆さんが広島大学に入れるように願っています!勉強頑張ってください。