【プロが解説】広島大学の二次試験(生物)の傾向と対策
こんにちは。広大研ブログ編集部の川口です。
今回は、広島大学二次試験で生物を受験する方に向けてその傾向と対策について書いていこうと思います。
筆者は、広島大学医学部に合格・卒業していますが、実は、二次試験で理科科目は生物と化学で受験しました。
生物は物理に比べて受験者数が少なく、あまり対策などの情報がなかったため、最初は手探りで受験勉強を開始したのを覚えています。
その状況は今も変わっていないように思います。おそらく広島大学に限ったことではなく、全国的に二次試験で生物を取る受験生が少なく、化学・物理に比べ、対策しにくいのではないでしょうか。
今回はそれでも、二次試験を生物で受けようと思う受験生に向けて、広大生物の傾向と対策を詳しく書いていきます。
本記事の目次
二次試験を生物で受験するメリット・デメリット
そもそも二次試験で生物を受験するメリット・デメリットについて書きます。
メリット
生物のメリットはなんと言っても点数が大崩れしないことです。
よって、他の教科が比較的問題が難しい大学では、生物をとってもいいかもしれません。
さらに、これはセンター試験でも同様のことが言えます。
センター試験で物理は最初の小問で間違えてしまうとその後も立て続けに間違えてしまうことがあります。そのために、物理は、一つ分からなければ、パニックに陥ってしまい、どんどん負の連鎖に入っていく可能性が高い教科といえます。
逆に生物は小問が比較的独立している場合が多く、しっかりとした知識があれば、落ち着いて問題に取り組むことが出来ます。センター本番で大きく失点してしまう教科になることは少ないです。
最後にちょっとしたメリットですが、生物系に進む受験生であれば、入学後にいいことがあるかもしれません。
生物をしっかりやっていれば、大学の一般・専門授業でも役に立つことがあります。私も大学1年2年次では恩恵を受けました。
デメリット
デメリットは高得点勝負では不利になることです。
生物は、国語と同様に満点が取りにくい教科です。逆に物理は満点が出やすい教科と言っても過言ではありません。
もちろん、物理で満点を取る実力を得るには相当の努力が必要ですが、生物に比べると満点を取ることが出来る確率はかなり高いです。
二次試験のレベルがセンター試験の延長レベルで、「落とした人負け」のような場合であっても、生物で9割を超えるのは至難の業と言えます。物理を選択したほうが明らかに高得点を取ることが出来る可能性が高い状況では受験戦略として生物を選択するのは間違いと言えるのかもしれません。
実際に平成30年度広島大学の入試結果を見てみると二次試験で物理を選択した受験生のうち約40%が合格しているのに対し、生物を選択した受験生では、約33%しか合格していません。(参照:平成30年度入試結果情報)
ただ、それでも、かなり高いレベルまで生物の実力をつけることができれば、高得点で点数が安定し、最強の武器となる可能性もあると私は思っています。
広大生物の傾向
まずは、広大生物の過去問を詳しく分析していきます。
過去3年分の出題分野
大問 | 2016 | 2017 | 2018 |
1 | 生物と遺伝子
生命現象と物質 |
生殖と発生 | 生物の多様性と生態系 |
2 | 生殖と発生
生物の環境応答 生物の進化と系統 |
生殖と発生 | 生物の環境応答 |
3 | 生態と環境 | 生物の環境応答 | 生物の体内環境の維持
生物の進化と系統 |
4(4a) | 生殖と発生 | 生態と環境 | 生物の体内環境の維持
生物の環境応答 |
5(4b) | 生物の進化と系統 | 生殖と発生
生物の環境応答 生物の進化と系統 |
これを見ると、毎年多くの範囲を対象として、複合問題も用いつつ、出題していることがわかります。
出題傾向
出題形式としては、実験の考察問題が多いといえます。中には、広い範囲での知識がなければ、なかなか解答するのが難しい問題もあります。また、グラフに関する問題や計算問題も毎年見られ、幅広い出題形式に対応できる能力が求められます。
よって、ある程度きちんとした知識も必要であり、更にはそれを用いて知識としてはないことをその場で考察できる生物学的思考力がないと高得点は望めません。
広大生物の対策
では、具体的な対策に移りましょう。
戦略
先程も書きましたが、広島大学の二次試験で生物を選択し、合格しようと思えば、物理の合格者と同じレベルの高い得点が必要となります。詳しい科目別の平均点が公開されていないので推測になりますが、6~7割程度の得点が必要になると考えていでしょう。勿論、学部によっても必要な点数は変わってくると思うので、自分の受験する学部のデータは調べておきましょう。
広島大学の過去のデータ→広島大学入学者選抜結果情報
基本戦略としては、安定した得点を出せる実力をつけるところから始めるのが大切です。つまりは、確実な知識を手に入れましょう。しっかり、アウトプットできるところまでやっていくようにしましょう。
その上で生物学的思考を養成する必要があります。そのためにもってこいなのが、センター生物です。
実は、最近のセンター試験は実験の考察問題が多く、良問であると思います。広大生物に通じるような問題が少なくありません。センター試験系の問題集やセンターの過去問自体が二次試験対策に用いることが出来ます。上手に活用していけば、効果的に生物学的思考を養成することが出来ます。
オススメの受験計画
先程の戦略を実行するための計画を示します。
知識の完成
理想を言えば、春の間に、遅くても夏休みを終えるまでに、知識の完成を目指します。おそらく、高校3年生最初の段階で高校生物の範囲をすべて授業で受けているということはないでしょうし、そもそも授業で受けていた範囲もきちんと知識として残っているか怪しいところです。そこで、この春から夏の短い期間で全範囲の知識をインプットしつつ、アウトプット出来るか確かめていかなければなりません。
そこで、単元ごとにインプット→アウトプットの作業を繰り返し行っていきましょう。ここで大切なのは、アウトプットを繰り返し行い、自分の知識として抜けているところを明確にすることです。
そして、ノートに自分で図や表を書きながら、様々なことを比較・対比しながら、まとめるようにしましょう。参考書や教科書を写すのではなく、自分にとって必要最低限のことを書くようにし、オリジナリティあるまとめノートを作ってください。
オススメの参考書については、他の記事で紹介していますので、そちらを参照してみてください。
裏技的ですが、ある程度知識が完成しているのであれば、センター試験の生物基礎の予想問題集・過去問をこの時期にやっていくのも悪くありません。
生物学的思考の養成
夏休みに入ったくらいから、実験問題の考察を中心に演習を始めていきたいところです。勿論知識の完成が優先なので、それが終わっていないようであれば、出来るだけ早く終わらせるようにしましょう。
いよいよ演習するとなった場合、いきなり二次試験レベルの問題に対応するのは難しいと思われるので、まずは、センター系の問題集から始めればいいと思います。出来れば、秋のセンター対策を行っていく前に二次試験系の問題集に入っていけるのが理想と言えます。どうしても間に合わない場合はしっかり、センター系の問題集や過去問を夏から秋にかけて繰り返し行い、その中で知識の確認も行っていってください。
秋になったら、しっかり、センター演習を行い、センター本番を迎えてください。
センターを終えたら、二次試験の過去問を演習すると思いますが、加えて記述式の問題集をやっていくようにしてください。夏から秋にかけて行った二次試験系の問題集が終わっていないのであれば、それを続けてください。終わっているのであれば、更に上のレベルの問題集までやっていければ、より高得点につながるはずです。
どの段階においても、演習を行ったら、まとめノートに知らなかったところを書くようにしましょう。未来の自分に向けて、簡潔にまとめてください。
自分に合った指導を受けたければ、広大研へ
いかがでしたでしょうか。広島大学の生物対策についてお分かりいただけたでしょうか。
ここに書いた計画はあくまで理想的な内容です。受験生はそれぞれ自分に合った対策をしなければなりません。
自分に合った対策や計画をたてることが難しいという方は是非広大研にご相談ください。無料体験授業にて面談を行っております。
さらに、こちらから無料体験授業に申し込んでくださった人は、入塾金1000円OFFのキャンペーンも開催中です!