島根大学医学部医学科に合格するためには?【プロが傾向と対策を解説】
こんにちは。
今回は島根大学医学部医学科に合格したいあなたに向けて、入試結果分析をふまえた受験戦略と受験計画について執筆します。
本記事をとおして、あなたの受験に役立つポイントがあれば是非参考にしていただければと思います。
本記事の目次
島根大学医学部医学科入試状況
まずは医学部医学科の入試結果を分析していきます。
※本記事では前期試験について触れております。
入試科目・配点
入試科目・配点から確認します。
以下の表からわかるとおり
① 2次試験の教科は英・数(+面接)のみ
➁ 2次試験で課されない教科の共通テスト配点割合が高い
ことが島根大学医学部医学科の特徴といえます。
面接の60点を除けば、1,100点中600点分(約54.5%)が英・数の2教科で占められているので、英・数の2教科を重視した学習が必要ですね。
令和5年度学生募集要項より引用
また、表には載っていませんが、③ 共通テスト(外国語)の配点方法 に注意が必要です。
令和5年度学生募集要項によると、リーディングを200点換算、リスニングを50点換算とした後、合計点を100点満点に圧縮することになります。
つまり、リーディング:リスニング = 4:1 の配点割合となっています。
※2段階選抜について
志願者数が大学が定める募集人員よりも大幅に上回っている場合、適用されます。
共通テストの得点が大学が定めた合格ラインを上回った志願者だけに、二次試験の受験資格が与えられるようになっています。
ここ3年間の入試データから2段階選抜の実施可否を見てみましょう。
どの年度も志願倍率が予告倍率を超えていませんので、2段階選抜が実施される可能性は低いと考えられます。
入試結果
次に、過去の入試結果を確認してみましょう。
過去3年間分の前期試験合格者成績情報を表にまとめました。
島根大学入試情報 合格者成績情報より引用
令和4年度を除き、共通テストの平均点は83%~86%となっています。
センター試験より難易度が高い共通テストだとしても、医学科志願者たちは揺るがない学力を有していることがわかりますね。
また、個別学力試験で65〜68%を超えるような合格者平均となっています。
面接の合格者平均点は比較的高いと想定されるので、英・数の2教科の平均得点は60~80%程度になると思われます。
受験戦略
上記の入試科目・配点、入試結果をふまえると
- 早い段階で英語、数学で強固な学力をつけておく
- そのうえで、共通テストに必要な科目の高得点を狙う
ということが受験戦略と言えるでしょう。
具体的な目標点のイメージは以下の表のとおりです。
医学科志願者は、センター試験の時もそうでしたが、共通テストでも英・数・理は9割取らなければいけません。
※昨年の共通テスト(数学)の難易度を考慮し、共通テスト(数学)の目標点は低く設定しています。9割近くまで点数が取れるに越したことはありません。
これら3教科分のアドバンテージを活かし、国・社の点数を8割前後でまとめることが多くの合格者の戦略として予想することができます。
個別学力試験に関して、医学科志願者の数学力は9割近い点数が取れる実力があります。
ですが、計算ミスや難題の出題による減点も考慮に入れると、150点以上は死守したいところです。
英語に関して、最低でも6割以上の得点は欲しいです。
理科の選択
化学は必ず選択すると思うのですが、物理・生物どちらの科目を選ぶのが最善なのか、悩みどころだと思います。
以下に、物理・生物を選択する場合のメリット・デメリットをまとめていますので、どちらの科目を選択すればよいか参考にしてみてください。
※医学科受験者の大半は、物理・化学を選択することが多いです。
【メリット(物理)】
- 暗記量が少なく、公式の意味や使い方を理解できていれば、高得点を狙いやすい
- 受験できる大学の選択肢が広い
【デメリット(物理)】
- 数学的な処理が苦手な場合 または 暗記だけで乗り切ろうとしても得点しづらい
- 点数が取れるようになるまで時間を要する
【メリット(生物)】
- 暗記+考察力を身につければ、7~8割の点数確保が見込める
- 化学の履修内容を活かせる
- 大学入学後でも生物を活かす場面が多い
【デメリット(生物)】
- 暗記量が不足している場合、実験考察系が苦手な場合、高得点が見込みにくい
社会の選択
できるだけ時間をかけず、高得点が取れる科目を選びたい!という方がほとんどでしょう。
地歴の場合、暗記事項が公民よりも多いので、長時間かけて勉強が必要になるのは言うまでもありません。
その分、公民は暗記事項が地歴よりも少ないので、夏休み明け以降から本格的な勉強を始めても目標点に到達することは可能です。
個人的には、現社・政経あたりがオススメです。
だからといって、必ずしも公民を選択科目にする必要はありません。
歴史が好きで、多くの暗記事項があっても問題ないという人もいるでしょう。
理科と同様に、高得点を取れる科目をよく考えて選択しましょう。
受験計画
では、受験計画のモデルをご紹介します。春は基礎、夏に標準~応用、秋は10月頃より徹底した共通テスト対策、共通テスト後に過去問を中心に二次対策が基本戦略となります。
英語
2次試験、共通テスト(リーディング)の2点に重点を置いた勉強を夏休みまでは行いましょう。
つまり、
- 1文ずつ精読しながら、長めの文章を理解できるようになる
- 自分が書きたい英文を書くことが出来るようになる
ことが最終目標です。
春~6月の時期は、単語力向上・基礎~標準レベルの文法問題の完成・精読力養成の3点に絞った勉強を行いましょう。
単語帳に関して、共通テスト(リスニング)対策を考慮してCD付きの参考書を使用してください。
文法に関して、NextStageなどの問題集を使い、様々なパターン問題を解けるようになりましょう。
精読用の教材として、基礎英文解釈の技術100などの問題集を使って夏休みまでに少なくとも3周以上演習が行えるよう日々の勉強を進めてください。
7月~9月の時期は、精読力完成・長文演習・英作文の3点が重要となります。
精読力に関しては、上記の学習をさらに進めていきましょう。長文は少なくとも2日に1題演習を行ってください。東進のレベル別問題集や旺文社の全レベル問題集で対象のレベルの問題を解き、2次試験で問われる記述力を磨いていきましょう。
また英作文の対策として、簡単な文章+論理的な文章を書ける練習をしなければいけません。竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本のように解答例が複数紹介されていたり、よくある間違いの指摘が載っている参考書がお勧めです。
10月以降は。英作文の演習を続けながら、共通テスト対策(リーディング・リスニング)をしっかり行いましょう。過去問や予想問題集をリーディング・リスニング交互に1日1年分解いていきましょう。
- 設問から必要な情報を素早く入手し、本文と照らし合わせ、適切な選択肢を選ぶ
- 1度の音声で放送文の内容を大方把握できるようになる
練習を徹底してください。
共通テスト後は、二次試験対策を行っていきます。過去問とオープン模試の過去問をかき集め、毎日一年分、計15~20回分こなすことが出来ればいいでしょう。
数学
先ほど述べた目標点に到達するためにも、まずは基礎の徹底をしなければいけません。
どんな難しい問題も解答に必要な公式を的確に選択し、正しく使うためにも、基礎が大事になります。
春の時期は、数Ⅲも含めて、チャートやFocus Goldの基本例題・重要例題を何度も繰り返し演習し、基礎固めを行いましょう。
ただ正解できるだけでは医学科合格は難しいです。解答スピードを意識した日頃の勉強が重要となります。
問題を見た瞬間、解法を最後までスラスラ言える(ノートに解答が書ける)レベルが最低条件となります。
遅くても7月末までに上記のレベルに到達してほしいですね。演習量が途方もなく多いので、高2から行っていなければ到底間に合いません。
夏の時期は、数ⅠAⅡBと数Ⅲに分け、一冊ずつ完成させます。数ⅠAⅡBは理系数学のプラチカ、数Ⅲはチョイスがオススメです。
数ⅠAⅡBに関しては夏までに少なくとも7~8割の問題がスラスラと正解できるように、チョイスは最低でもA問題までは正解する実力をつけましょう。
秋以降は、共通テスト対策と数Ⅲチョイスを引き続いて演習していき、共通テストの得点を安定させましょう。
共通テストの演習を行う際、解答時間-15~20分を目安に演習を行ってください。必ずしも間に合わせる必要はありませんが、共通テスト本番で焦ってしまい、解法がなかなか思いつかない場合を想定すると、左記のような時間で演習を積んでおくべきです。
共通テスト終了後、過去問演習を行いましょう。最低でも10年~15年分の過去問を演習しつつ、プラチカ・チョイスを利用した入試必須のパターン問題演習も行ってください。
理科
理科は共通テストで使用するだけですから、ハイレベルな能力は要求されません。基礎固めを徹底し、ミスを徹底的になくす必要があります。
今回は、物理と化学に分けて話をします。
物理
共通テストでは、公式の意味や細かい条件などを把握したうえ、実際の運動などイメージできなければいけません。
つまり、物理現象・物理法則をしっかりと理解しながら基礎固めを行う必要があります。(例:仕事の定義は?運動量保存則が使える条件は?)
物理のエッセンスを使って単元ごとに繰り返し行い、完璧になれば次の単元に進むという方法で6月末までに終わらせることが出来るよう、計画して下さい。
数学と同様、高2からの準備は必須と言えるでしょう。
物理のエッセンスが出来たら、次は良問の風を用いて応用力を養っていきます。
良問の風も物理のエッセンスも著者は同じなので解説に一貫性があります。分からない分野はエッセンスに戻って基礎の復習を行って下さい。
論述問題も含まれているので、共通テストで問われる論理的思考力を養うためにもオススメです。
10月以降は、共通テスト演習を行いましょう。実験問題や考察が必要な問題が出題されますので、
- 問題文から読み取るべき情報は何か
- そのような物理現象が起き、なぜそのような結果になるのか
- 自分の解法が正しい理由が説明できるか
といったポイントに注意しながら、解答時間-15分を目安に演習を行ってください。
化学
共通テストの化学は、基礎的な知識をもとに応用する力が問われています。
まずは学校教材(リードαやセミナー)を使いましょう。
各単元で出てくる公式や用語を丸暗記するのではなく、どのような意味を示しているのか意識しながら勉強を行いましょう。
(例:酸化とは、反応前後で酸化数が増加する/酸素と結びつく/電子を放出する)
どの単元でも完璧になるまで隅々まで繰り返して下さい。つまり、公式や用語がスラスラと言えるということですね。
また、各単元の基本問題もすべてスラスラと解けるようになることも重要です。
物理よりも暗記事項が多いので、7月末までに終えることを目標としてください。
夏になれば、重要問題集のような応用系の教材を用いて演習を行ってください。
共通テストではグラフを使用した問題が出題されるのですが、重要問題集に掲載されている問題の中には、グラフを使用して問題を解くものもありますから最適でしょう。A問題が解けるレベルまで演習を積めば、共通テスト演習に対する準備は整ったと言えます。
無機化学や有機化学の暗記も怠らないようにしましょう。
そして10月以降は共通テスト演習を行いましょう。できるだけ多く演習を積みたいところです。
- 計算過程を順を追って問題用紙に書き込む
- 長めの問題文から、条件を素早く読み取り、覚えた知識と結びつける
などの共通テストに特化した勉強を演習を通して身につけましょう。物理と同様、解答時間-15分を目安に演習を行ってください。
その他共通テスト科目
その他の文系科目についてですが、10月以降、確実に共通テスト演習を行えるよう勉強を進めておきましょう。
現代文のキーワード暗記・熟語暗記、古文単語・古典文法、社会の用語暗記など、最低限のことは勉強してください。
文系科目が苦手という方もいると思いますが、マーク形式の演習をしっかりと積めば、出題傾向・解き方もある程度把握できますから、目標点の到達は十分可能です。
まとめ
少し長めの記事となってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。あなたに役立つ情報があれば幸いです。
島根大学医学部医学科に入るには、基礎をしっかり固め、共通テスト演習や標準的な問題集を用いて基礎に基づいた確かな応用力を身につけることです。
この記事を読んでやることが明確になっていれば、いいのですが、そうでないのであれば、広大研へご相談ください。
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