九州大学医学部医学科に合格するためには?【プロが傾向と対策を解説】
こんにちは.
今回は九州大学医学部医学科に合格したいあなたに向けて、入試結果分析をふまえた受験戦略と受験計画について執筆します。
本記事を見て、あなたの受験に役立つポイントがあれば是非参考にしていただければ幸いです。
本記事の目次
九州大学医学部医学科入試状況
九州大学HP内キャンパス風景より引用
入試結果の分析から見ていきましょう。※本記事では前期試験について触れております。
入試科目・配点
令和5年度 入学者 学生募集要項より引用
学生募集要項を見てもわかるとおり
① 2次試験の教科は英・数・物・化の4教科+面接(総合判定の判断資料として用いる)
➁ 2次試験の方が共通テストよりも配点割合が高い
(注)共通テスト(リーディング:リスニング)の配点割合は、1:1となる。
ことが九州大学医学部医学科の特徴といえます。
1,150点中700点分(約60.9%)を2次試験が占めているので、英・数・物・化の4教科を重視した学習が必要となります。
※2段階選抜について
志願者数が大学が定める募集人員よりも大幅に上回っている場合、共通テストの得点が大学が定めた合格ラインを上回った志願者だけに、二次試験の受験資格が与えられます。ここ2年間の入試データから、九州大学医学部医学科での2段階選抜実施状況を見てみると、昨年度は実施されていることがわかります。
たった、32人多いだけで2段階選抜が実施されるの!?と思うかもしれませんが、これが医学部医学科の厳しさということでしょう・・
入試結果
次に、過去の入試結果を確認してみましょう。
過去5年分の前期試験合格者成績情報を表にまとめました。
予備校英語講師のメモ帳 よびめもより引用
※九州大学HPも確認しましたが、総得点に対する合格者成績情報しか載っておりませんでした。
表から九州大学医学部医学科に合格するための点数は、890点(約77.4%)と予想されます。
九州大学は旧帝大の1校ですから、2次試験の難易度は相当高いです。
そのため、共通テストの配点が低くても、できるだけ多くの点数を取らなければいけません。9割以上取ることが理想です。
共通テストで9割以上取れた場合、2次試験で7割取れたら合格最低点を上回ります。(2次試験で7割以上を取るのは相当大変ですよ・・)
受験戦略
上記の入試科目・配点、入試結果をふまえると
まずは、英語、数学、物理、化学の実力をつけないと九州大学医学部医学科に合格することは出来ません。
具体的には
- 夏休みまでに共通テスト模試で9割を取り、キープしつつ、更に点数UPを目指す
- 夏休みまでに記述模試で8~9割以上取れる実力をつける。その後、九大想定模試でも6割以上を取る
- 共通テスト後、2次試験対策に特化し、7割以上の点数を確保する
レベルまで学力を向上させなければいけません。
また、国語、社会の共通テスト対策を秋以降行い、9割近くの点数を取ることも戦略として大切になります。
これらをふまえ、目標点のイメージは以下の表のとおりです。※得意教科・不得意教科は人それぞれですから、上記の表はあくまでも参考例として使用してください。
社会の選択
できるだけ時間をかけず、高得点が取れる科目を選びたい!という方がほとんどでしょう。
地歴の場合、暗記事項が多いので、長時間かけて勉強が必要になるのは言うまでもありません。
その分、公民は暗記事項が少ないので、夏休み明け以降から本格的な勉強を始めても目標点に到達することは可能です。
個人的には、倫理・政治経済がオススメです。
だからといって、必ずしも公民を選択科目にする必要はありません。
歴史が好きで、多くの暗記事項があっても問題ないという人もいるでしょう。
高得点を取れる科目をよく考えて選択してください!
受験計画
では、受験計画のモデルをご紹介します。春は基礎、夏に標準~応用、秋は10月頃より徹底した共通テスト対策、共通テスト後に過去問を中心に二次対策が基本戦略となります。
英語
九州大学の英語は多くの国公立大学と同様に
- 長文読解(内容説明)
- 自由英作文、和文英訳(70~100words)
となっています。
ただし、長文読解の一部に要約が含まれているので対策すべきことは多いです。
(注)高校2年生の3月時点で、自分の持っている単語帳の8割以上を覚えていることや文法学習が終わっていなければ医学科の合格は難しいでしょう。
それをふまえ、高3春~6月の時期は、精読力養成・英作文教科に絞った勉強を行いましょう。
基礎英文解釈の技術100などの精読用問題集を使って少なくとも3周以上演習を終えることが最低限の目標となります。
内容説明の問題対策に必要不可欠となります。読解力と答案の作成力が身についているか、日々確認してください。
また、英作文用の教材として、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本や「自由英作文編」英作文のトレーニングを用いるのが良いと思います。
まずは、基本例文がスラスラと書けるように基礎力を磨きましょう。少なくとも3周繰り返し演習を行ってください。
また、自分の書いた答案が正しいかどうか、塾の先生や学校の先生に日々確認するようにしてください。
7月~10月の時期は、長文演習・英作文を中心としつつ、精読力を完成させましょう。
精読力・英作文に関しては、上記の学習をさらに2~3周進めていきましょう。
長文は少なくとも2日に1題演習を行ってください。東進のレベル別問題集ややっておきたい英語長文シリーズでを用い、2次試験で問われる記述力を磨いていきましょう。
記述内容に不安があれば、塾の先生や学校の先生に質問をしに行きましょう。
11月以降は。英作文の演習を続けながら、共通テスト対策(リーディング・リスニング)をしっかり行いましょう。
過去問(センター試験を含む)や予想問題集をリーディング・リスニング交互に1日1年分解いていきましょう。
- 設問から必要な情報を素早く入手し、本文と照らし合わせ、適切な選択肢を選ぶ
- 1度の音声で放送文の内容を大方把握できるようになる
練習を徹底してください。
共通テスト後は、二次試験対策を行っていきます。過去問とオープン模試の過去問をかき集め、毎日一年分、計15~20回分こなすことが出来ればいいでしょう。
数学
ここ2,3年の間で、数学の難易度は上がっている印象があります。
そのため、かなり早い段階で基礎の徹底をしなければいけません。
高校2年生3月時点で、数学ⅠAⅡBの全単元の基礎定着が図れている状況が合格に向けた最低条件といえます
できれば、数学Ⅲも基礎定着が図れていることが望ましいです。
春~遅くても7月末の時期は、数Ⅲも含めて、チャートやFocus Goldの章末問題(Exercisesのこと)を何度も繰り返し演習しましょう。解答スピードを意識した日頃の勉強が重要となります。
問題を見た瞬間、解法を最後までスラスラ言える(ノートに解答が書ける)レベルが最低条件となります。
夏~10月末の時期は入試標準レベルの問題を完成させましょう。理系数学のプラチカがオススメです。
ここまでで伝えたい事として、絶対的な入試演習量が必要だということです!
11月以降は、共通テスト対策と数Ⅲチョイスを引き続いて演習していき、共通テストの得点を安定させましょう。
共通テストの演習を行う際、解答時間-15~20分を目安に演習を行ってください。必ずしも間に合わせる必要はありませんが、共通テスト本番で焦ってしまい、解法がなかなか思いつかない場合を想定すると、左記のような時間で演習を積んでおくべきです。
共通テスト終了後、過去問演習を行いましょう。最低でも10年~15年分の過去問を演習してください。
数学ⅠAⅡBだと、整数、場合の数・確率、空間ベクトルが頻出です。
数学Ⅲは、微積分、複素数平面が頻出となっていますので、これらの単元はプラチカを使った類題演習も行うことを推奨します。
物理
九州大学の物理は典型問題が多い印象です。
各大問の前半の問題は解きやすいのですが、後半になると難易度の高い問題が出題されています。(模擬試験や他の国公立大学と同じ傾向ですね。)そのため、問題の難易度は高いといえるでしょう。
ですが、典型問題が多く出題されているので、徹底的な演習が積めていれば、合格点を取ることは十分に可能です。
春~7月末の期間は、学校で配布されるセミナー系列の問題演習を徹底してください。
問題量が多いので、セミナー1冊で入試基礎レベルの問題演習を行うことは十分可能です。
どの問題もスラスラと解法が言えるように演習を行うためには、高校2年生の3月時点で、各分野で学ぶべき最低限の知識は押さえておく必要があります。
3~5周ほど演習を積むようにしてください。
夏~10月末までは、名門の森を用いて入試標準レベルの問題演習を行ってください。
難易度が高いので、全ての問題の解法を理解するのは大変と思いますが、こちらも3~5周演習を積み、九州大学の物理で合格点を取れる実力をつけていきましょう。
11月以降は、共通テスト演習を行いましょう。実験問題や考察が必要な問題が出題されますので、
- 問題文から読み取るべき情報は何か
- そのような物理現象が起き、なぜそのような結果になるのか
- 自分の解法が正しい理由が説明できるか
といったポイントに注意しながら、解答時間-15分を目安に演習を行ってください。
共通テスト後は、過去問を10年分以上解きましょう。
何度も反復練習することで、出題形式に慣れつつ、合格点を取るための戦略(ex.どの大問から解くべきか、各大問の解答目安時間、難易度の高い問題の解き方)を身につけてください。
苦手単元がある場合、セミナーや名門の森を使ってしっかりと復習するようにしましょう。
化学
九州大学の化学は、基本・応用問題ともに典型問題が多く出題されています。
また、試験時間75分に対し、大問が6題分ありますので、問題演習を多く積んでいない人は制限時間内にすべての問題を解ききることは不可能でしょう。
以上の事から、基本問題は見た瞬間に解法が浮かぶようにすること、その分、初見で見る応用問題に時間をかけて高得点が取れるようにすることが合格するための秘訣といえるでしょう。
春~夏の期間は、学校教材(リードαやセミナー)を使って基礎を完璧にしてください。
各単元で出てくる公式や用語を丸暗記するのではなく、どのような意味を示しているのか意識しながら勉強を行いましょう。(例:酸化とは、反応前後で酸化数が増加する/酸素と結びつく/電子を放出する)
公式や用語がスラスラと言える、各単元の基本問題もすべてスラスラと解けるようになるまで演習を繰り返してください。5周くらいは演習を重ねないといけないと思います。
夏~10月末になれば、重要問題集のような応用系の教材を用いて演習を行ってください。
重要問題集は、A問題・B問題と2種類の難易度に分かれた問題が掲載されていますが、どちらの問題もすべて解きましょう。こちらも5周くらい演習を積み重ね、8~9割の問題の解き方がパッと浮かぶようにしてください。
そして11月以降は共通テスト演習を行いましょう。できるだけ多く演習を積みたいところです。
- 計算過程を順を追って問題用紙に書き込む
- 長めの問題文から、条件を素早く読み取り、覚えた知識と結びつける
などの共通テストに特化した勉強を演習を通して身につけましょう。物理と同様、解答時間-15分を目安に演習を行ってください。
共通テスト後は、過去問を10年分以上解きましょう。
先ほど述べたとおり、75分で6題の問題を解答しなければいけないので、各大問に使える時間がどれくらいなのか感覚をつかむ必要があります。
出題形式にも慣れつつ、過去問演習によって苦手単元が発見され次第、セミナーや重要問題集を使ってしっかりと復習するようにしましょう。
その他共通テスト科目
その他の文系科目についてですが、10月以降、確実に共通テスト演習を行えるよう勉強を進めておきましょう。
現代文のキーワード暗記・熟語暗記、古文単語・古典文法、社会の用語暗記など、最低限のことは勉強してください。
文系科目が苦手という方もいると思いますが、マーク形式の演習をしっかりと積めば、出題傾向・解き方もある程度把握できますから、目標点の到達は十分可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あなたに役立つ情報があれば幸いです。
九州大学医学部医学科に入るには、基礎をしっかり固め、共通テスト演習や標準的な問題集を用いて基礎に基づいた確かな応用力を身につけることです。
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