岡山大学医学部医学科に合格するには?【プロが傾向と対策を解説】
岡山大学医学部医学科に合格するには?【プロが傾向と対策を解説】
こんにちは!
広大研公式ブログ編集部の川口です。
今回は医師を目指して岡山大学医学部医学科への合格を狙うあなたに向けて、
岡山大学医学部医学科の入試結果分析を行い、そこから合格に向けた受験戦略と受験計画
について書いていこうと思います。
もしかすると、あなたは
「広大研いうレベルも低そうな小さい塾の情報なんて信用出来ねー」
と思っていらっしゃるかもしれません。
しかし、もちろん私は医学部医学科出身ですし、広大研以外でも多くの医学部受験生を指導してきました。
その経験から得た知識をお伝えできたらと思いますので、あなたの受験に役立つポイントがあれば参考にしていただければと思います。
本記事の目次
岡山大学医学部医学科入試状況
ご存知だとは思いますが、まずは医学部医学科の入試について確認してみましょう。
この記事では前期試験について書いていきます。
入試科目・配点
まずは入試科目配点について確認してみましょう。 →平成31年度入学者選抜に関する要項
岡山大学医学部医学科最大の特徴は、超理科重視の配点があることです。
医学部医学科の配点を具体的に見てみると、
◎ 共通テスト:5教科7科目(500点満点)
国語:100点
社会:100点
数I・A、数II・B:100点(各50点)
理科2科目選択:100点(各50点)
英語:100点
※ 英語は「リーディングの得点×1.6」と「リスニングの得点×0.4」。
◎個別学力試験:3教科4科目(1100点満点)
数I・数II・数III・数A・数B:400点
理科2科目選択:300点(各150点)
英語:400点
面接:得点なし評価
共通テストと個別試験を合わせると1600点中900点を理科の2教科で約56%、英語が約31%、英数理で合計87%という配点となっています。
岡山大学「平成31年度入学者選抜に関する要項」から抜粋し、編集
この選抜基準からも分かるように、岡山大学医学部医学科では、数学理科重視、次に外国語重視となっています。
入試結果
過去の入試結果を確認してみましょう。→入学者選抜結果情報
合格者の情報を見てみます。前期試験の情報になります。
総合点 |
共通テスト |
個別学力検査 |
||||||||||
配点 |
最高 |
平均 |
最低 |
配点 |
最高 |
平均 |
最低 |
配点 |
最高 |
平均 |
最低 |
|
R4 |
1,600 |
1,368.1 |
1,220.6 |
1,133.6 |
500 |
443.3 |
405.6 |
359.2 |
1,100 |
933.5 |
815 |
735 |
岡山大学「入学者選抜結果」より引用
受験戦略
受験戦略としては先程考察したように、「理科での失点をできるだけ避け、英語・数学で得点すること」が重要ですが、ここで見落としがちなのが共通テスト対策です。
医学部を受験する人にありがちなのが二次試験の勉強ばかりに時間を取られ、共通テスト対策を疎かにしてしまうケースです。あなたもそうではないですか?
多くの受験生を見て思うのは、共通テスト対策をしっかりやれば、二次試験の勉強につながり、共通テスト後の対策で効率よく実力がついくと言うことです。
逆に二次試験の勉強をしていれば、自然と共通テストの得点力がつき、点数が上がってくるということはありません。共通テストの勉強は二次試験対策の十分条件でしかありません。
特に、理科でしっかりとした共通テスト対策を行い、きちんとした土台づくりを行いましょう。これが基本戦略となります。
理科の選択
ここからは、各論的な話をしていきます。
理科でしっかりとした得点を取る上で重要なのがまずは科目選択です。おそらく、ほとんどの岡大医学部受験生は化学・物理で受験するのでしょう。
おそらく、それが正解です。岡山大学の個別学力検査の化学・物理ははっきり言って難しい部類には入りません。9割狙いも可能でしょう。
しかし、医師を目指すあなたは生物を選択するのが普通なのではないでしょうか?
と理想論をかざしましたが、よっぽど物理が出来ないということがない限り、生物を選択するメリットは受験においてはないでしょう。入学したら、1年目は生物選択が有利だったりもしますが…
英語対策
実は戦略上、肝心なのが英語になります。
おそらく、理科は相当な時間をかけて対策していくことになりますし、正しい努力をしていれば、ある程度点数は伸びてきます。
さらに、共通テストと二次試験でかぶる分野が昔に比べ、多くなっていますので先程申し上げたように、しっかり基礎固めを行えば、多少の応用問題への対応は可能と思われます。
合格するレベルにある受験生はかなり高得点を取ってくるので、理科で差をつけるのは難しいでしょう。そこで、差が付きやすいのが英語になってくるわけです。
理系だとどうしても英語が疎かになりがちですが、医学部志望ではそうはいきません。
また、岡山大学の英語は、標準的なレベルの問題が多く、出題形式も特殊なものはほとんどないので、着実に対策すれば、むしろ安定して高得点を目指せます。
まれに要約問題が出題されることもあるので、その点だけ気をつけましょう。
そんな岡大英語ですが、医学部合格には当然高得点が必要です。そのためには、
選択問題の精度向上を継続的に行い、標準レベルの問題をきちんと得点する基礎力の徹底的な養成が重要になります。
これを英語が戦略です。まだ、漠然としているところも多いと思いますので、最後に具体的な計画について書いていこうと思います。
受験計画
では、受験計画のモデルをご紹介します。春は基礎、夏に標準~応用、秋は10月頃より徹底した共通テスト対策、共通テスト後に過去問を中心に二次対策が基本戦略となります。
英語
英語は先程書いたように、医学部受験で肝となる科目です。高得点奪取の戦略としては、選択問題の精度向上、要約や英作文でのできるだけ部分点を多く稼ぐことが出来るような実力をつけていくこととなります。
この戦略を実践するために必要な計画を細かく見ていきましょう。
そもそもですが、4月の時点で、どの単語帳であっても、共通テストレベルの範囲は完璧である必要があります。また、文法に関してもNextStageなどの問題集の文法セクションはほぼ問題なく解くことが出来る実力がないと、この時点でその年の医学部合格は厳しいでしょう。
春に行うこと
では、あなたに上記の実力があった場合、春の時期に行うことは絶対的な単語量の増加と標準レベルの文法・語句問題の繰り返し演習、長文選択問題の精度向上を行っていく必要があります。
単語帳や文法の問題集は学校で配られたもので構いません。この時期で完璧に仕上げましょう。
また、毎日長文1題は読んでいくようにしましょう。
共通テストレベルから始めて、夏前にはMARCH・関関同立レベルの私大の英語が読めているのが理想です。参考書としては、東進のレベル別問題集や旺文社の全レベル問題集で対象のレベルの問題を解いていきましょう。
夏に行うこと
夏は大きくレベルアップすることを目標とします。二次試験に必要な能力の養成を始めていきます。
夏休み前から開始するのが理想になります。難関レベルの長文問題を演習しつつ、長文読解の実力を徹底してつけていきます。
長文は春に使った2つの参考書のレベルを上げてもいいですし、英語長文問題精講などのハイレベルな問題集を一冊仕上げるのもいいと思います。早慶や東京・京都を除く旧帝大レベルまで手を伸ばしていいと思います。
要約の参考書としては、英文解釈要約精講やディスコースマーカー英文読解がいいと思います。この2つには、しっかり要約の手順が載っているので、導入にはもってこいでしょう。
要約に関しては添削を学校・塾の先生にしてもらうことが重要です。
秋に行うこと
秋、前半は夏に行っていた勉強量を継続してこなしていくことが大切です。学校や塾の授業が始まると、演習量が落ちてしまいがちですが、ここで演習量を落とさないことが実力を大きく伸ばすポイントとなります。
10月に入ると共通テスト対策をしっかり行いましょう。過去問や予想問題集を1日1年分解いていきましょう。要約や英作文の演習は少し抑え気味にして、文法・語法問題の徹底的な演習を同時に行っていきましょう。その際には、ランダム系の問題集をするようにして下さい。
ここで、選択問題は間違えない自信が出るくらいまでやっていきましょう。
共通テスト後に行うこと
共通テストでしっかりした得点ができたら、二次試験対策を行っていきます。過去問とオープン模試の過去問をかき集め、毎日一年分、計20~30回分こなすことが出来ればいいでしょう。
ここでも、要約や英作文を中心に添削をお願いしましょう。
数学
今までの記事でもあまり触れてきていない数学ですが、二次試験でも少なくとも7割程度は得点しておきたいところです。
数学で大事なことは基礎の徹底になります。
どんな難しい問題も高校の教科書に出てくる公式を使えば、解くことができます。解答に必要な公式を適確に選択し、正しく使うためにも、基礎が大事になるのです。
ですから、春の時期に、数Ⅲも含めて、チャートやFocus Goldを何度も繰り返し演習し、基礎固めを行いましょう。
夏までに完成させるにはどうしても、量が多くなるので、高2生の段階から行うしかないでしょう。
夏の時期は、数ⅠAⅡBと数Ⅲに分け、一冊ずつ完成させます。数ⅠAⅡBは理系数学のプラチカ、数Ⅲはチョイスがオススメです。数ⅠAⅡBに関しては必ず夏で終わらせ、チョイスは最低でもA問題まではやりましょう。
秋以降には共通テスト対策と数Ⅲチョイスを引き続いて演習していき、共通テストの得点を安定させて下さい。共通テストを終えたら、英語同様に過去問演習を行いましょう。
理科
理科はハイレベルな能力は要求されないので、ミスを徹底的になくす努力をしていく必要がありました。
化学と物理について分けてお話します。
化学
まずは学校教材(リードαやセミナー)を完成させます。完璧になるまで隅々まで繰り返して下さい。この段階から、まとめノートを作り、自分の抜けている知識を書き出してまとめましょう。
夏になれば、重要問題集などを用いて演習を行います。分からない問題が出てきたときには質問して速やかに解決することが大切です。この際にも抜けている知識などがあれば、まとめノートへの書き込みは忘れずに。
そして秋からは共通テスト演習です。この時期は出来るだけ、共通テスト演習に集中するのがいいと思われます。
出来ることならば、化学基礎にも手を出して演習量を確保しましょう。
理想は共通テストまでに過去問と予想問題をあわせて100回分仕上げることです。
共通テストのあとには過去問演習をこなしていけば、共通テスト演習で築き上げた基礎があるので、失点が少なくなり、さらに大幅な実力アップが見込めるはずです。
物理
物理は単元ごとに勧めていくことをおすすめします。
まず、物理のエッセンスを力学や電磁気など単元ごとに繰り返し行い、完璧になれば次の単元に進むという方法で行っていきます。この段階の勉強は春の段階で終わらせることが出来るよう、計画して下さい。
物理のエッセンスが出来たら、次は良問の風を用いて応用力を養っていきます。
この段階では2〜3単元ごとに繰り返してもいいかもしれません。良問の風も物理のエッセンスも著者は同じなので解説に一貫性があります。分からない分野はエッセンスに戻って基礎の復習を行って下さい。
欲を言えば、良問の風を終わらし、名門の森や重要問題集といった演習量の多い問題集にまでこの時期に手を出しておきたいところです。
秋からは共通テスト演習を行いましょう。正直言って、物理の共通テストでは100点を目指していきたいところです。過去問や予想問題集を用いてどんな問題が来ても大丈夫という感覚が出るまで繰り返し演習を行って下さい。間違えた問題は特に何度も復習をするようにしましょう。
共通テストを終えれば、過去問とオープン模試の過去問を演習しましょう。また、夏にやっていた名門の森や重要問題集を用いて演習量を補いましょう。
その他共通テスト科目
その他の文系科目についてですが、ここで苦しんでいる受験生や、国語を苦手とし足をすくわれた受験生を多く見てきました。
しかし、正直言って、文系科目の戦略・計画は人それぞれです。というのも、社会の科目選択も人によって違いますし、国語の基礎能力は個人差がかなりある上に、その伸びも他の教科に比べ、確実性に乏しいです。
ここで言っておきたいのは、受験は総合点での争いになります。
あなたが、どの科目でどれくらい得点すればいいのか計算し、国語・社会でどれくらいの点数が必要なのかを出してみましょう。
その得点を取るのに必要最低限の努力を行って下さい。
実際私は、国語で7割、地理で8割を目標にし、古典と地理の勉強を夏からはじめて秋の共通テスト演習をしっかり行うことで、次第に目標点レベルに落ち着きました。それ以上のレベルに到達できるような努力はあえて行いませんでした。
2700点中300点の科目に時間を割くよりは、理科などの重要科目のレベルアップに時間をかけるようにしましょう。
まとめ
少し長めの記事となってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。あなたに役立つ情報があれば、うれしいです。
岡大医学部医学科に入るには受験業界でも伝説・名物となっているような難問を解いていても仕方ありません。
基礎をしっかり固め、共通テスト演習や標準的な問題集を用いて基礎に基づいた確かな応用力を育てることです。
奇想天外な発想や教科書に載っていないような裏技的公式などにとらわれることなく、着実に実力アップをして下さい。
また、参考書などの詳しいやり方などについては、今回省略しました。さらに、この記事に載せた参考書以外にも岡大入試に合うものは、まだあります。
そして、何よりここに書いた戦略・計画並びに参考書の選択があなたに合っているとは限りません。また、学校や塾の授業の活かし方も人によって違ってきます。
大手予備校や塾の授業も上手く活かさなければ、貴重な時間の無駄となってしまいます。
この記事を読んでやることが明確になっていれば、いいのですが、そうでないのであれば、広大研はいつでもご相談に乗らせていただきます。
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