【広島の高校の進学実績から見る】広島の受験生の傾向とは?

こんにちは、広大研公式ブログ編集部の川口です。
今回は「広島の高校の進学実績」を軸に、
広島の受験事情や中学生の進路選びの今を詳しく分析していきます。
「どの高校が難関大学への合格実績を持っているのか?」
「今の広島の受験生はどんな傾向にあるのか?」
こうした疑問は、高校受験を控えた中学生とその保護者はもちろん、
大学受験に向けて動き出している高校生にとっても非常に重要な情報です。
この記事では、
広島の受験事情の全体像
広島の主要高校の進学実績と傾向
全国の受験生の傾向
広島の受験生の最新傾向
2025年入試を見据えた戦略的な高校選択
といった観点から、今知っておくべき受験情報を網羅していきます。
ぜひ、進路選びの参考にご活用ください。
本記事の目次
広島の受験事情の全体像
以前、広島の大学受験塾おすすめ5選を医学部生が解説【高校生必見】という記事内で紹介しました。ここで今一度、広島の受験事情についてもう一度解説しておきます。
広島は大学受験が盛んな地域
令和6年度学校基本調査によると、
広島の64.1%の高校生が大学または短大に進学しています。
全国平均は58.9%であり、広島県は全国9位と非常に高いです。
大学進学率60%以上の都道府県を濃い緑色
大学進学率50〜60%の都道府県を薄い緑色
大学進学率50%以下の都道府県を白色
データえっせい 「都道府県別の大学進学率(2024年)を参照
上記のように、広島県は全国的に見ても大学受験が盛んな県です。
そんな広島にある高校はどのような進学実績となっているのか確認してみます。
広島の主要高校の進学実績と傾向
※動画は2018年のデータを元に作成したものです
まずは受験が盛んな広島の高校の進学実績を見てみましょう。
今回のデータは各高校のホームページに掲載されている
2025年度入試結果のデータを基に作成しております。
以下の5項目に分けて紹介していきます。
なお、一部高校はデータを公表していない部分がありますから、あらかじめご了承ください。
2025年度進学実績
東京大学・京都大学
日本の大学入試の最高峰ともされる東大京大入試に合格した日本のトップ層と言われる人材を各校がどれだけ輩出しているかを調べてみましょう。もちろんこの東大京大の合格者だけがその高校の価値を測る物差しになるわけではありませんが、その高校のイメージに大きな影響を与える要因の一つです。
東京大学
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 広大附属福山高校 | 10名 |
2位 | 広島学院高校 | 8名 |
3位 | 広島県立広島高校 | 5名 |
4位 | 広島大学附属高校 | 4名 |
5位 | 修道高校 | 3名 |
6位 | 舟入高校 | 1名 |
6位 | 尾道北高校 | 1名 |
広大附属高校などの優秀な中高一貫校でも東京大学へ2桁合格を達成するのは難しいです。
基町高校は今年東京大学への進学が一人もいませんでした。県立広島高校を除き他の高校入試がある高校も結果は良くありません。
また、昨年度県立広島高校では2名が推薦入試(総合型選抜)を利用して東大に合格しています。毎年総合型選抜を用いて東京大学に合格する生徒が2〜3名、県立広島高校にはいます。推薦入試に強い学校と言っても良いでしょう。
京都大学
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 広大附属福山高校 | 12名 |
2位 | 広島大学附属高校 | 12名 |
3位 | 基町高校 | 10名 |
4位 | 修道高校 | 9名 |
5位 | 広島学院高校 | 8名 |
6位 | 広島県立広島高校 | 6名 |
7位 | 尾道北高校 | 2名 |
8位 | その他6校(舟入、国泰寺、城北、安古市、広島皆実)(1人) | 1名 |
今回は東京大学と京都大学への進学をわけてランキングを決めています。広島大学附属高等学校2校と広島学院高校はやはり別格で東京大学への進学を果たしています。京都大学への進学が上位高校ではかなり多く、10名以上の進学を達成した高校が3校(広大附属2校と基町高校)もあるのは非常に優れていると言っても良いでしょう。
ただ上位校は中高一貫校が多く、高校入試を主としているのは基町高校や国泰寺高校、皆実高校くらいしかありません。東大京大を本気で考えるのであれば、中学入試を頑張る方が良いです。本人の努力で大学進学は大きく変化しますから、諦めずに頑張りましょうね!
早慶
早稲田大学と慶應大学は私立入試の最高峰と言っても良いでしょう。科目こそ東大京大には劣るものの、限られた科目ではかなり深い理解と知識が求められます。推薦入試についても東大京大よりも裾野が広く、その高校が「国公立大学至上主義」かどうかを見極める基準の1つとしても良い働きをするでしょう。
早稲田大学
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 広島大学附属高等学校 | 29名 |
2位 | 修道高等学校 | 20名 |
3位 | 広島大学附属福山高校 | 19名 |
4位 | 基町高校 | 17名 |
5位 | 広島学院高等学校 | 11名 |
7位 | 舟入高校 | 5名 |
7位 | 広島県立広島高等学校 | 5名 |
8位 | 広島女学院高校 | 3名 |
8位 | 安古市高校 | 3名 |
慶應義塾大学
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 広島大学附属福山高等学校 | 14名 |
2位 | 修道高等学校 | 6名 |
2位 | 広島大学附属高校 | 6名 |
2位 | 基町高校 | 6名 |
2位 | 広島学院高等学校 | 6名 |
3位 | 国泰寺高校 | 3名 |
3位 | 呉三津田高校 | 3名 |
4位 | 舟入高校 | 2名 |
4位 | 広島県立広島高等学校 | 2名 |
4位 | 尾道北高校 | 2名 |
広大附属2校は早稲田大学および慶應大学への進学が他校に比べて非常に多いです。同様に修道高校や広島学院高校も進学者が多いですが、基町高校の進学合計23人もかなり目を引きます。
どうやら広島では早稲田大学への進学の方が人気が高いようです。
公立高校だと基町高校と舟入高校、呉三津田高校、県立広島高校がランクインしていますね。よく同列に扱われる舟入高校が入っていないですが、7名が早慶へ合格していますから、十分に狙うことができるでしょう。
各高校のトップ層が早慶に進むことが多いと考えられます。特に東大京大を志望する生徒は私立で早慶を受けることも多いので、広大附属の合格率が高くなっていることが考えられます。
MARCH
広島では名前を聞くだけで身近にない分関関同立に流れて行きがちですが、同等に優秀な私立大学群です。この大学に進学者が多い高校は、関東方面への進学を目指す生徒が一定数存在する、もしくは学校推薦入試の枠が関東方面にも存在すると考えて良いでしょう。
順位 | 高校名 | MARCH合格者数 |
---|---|---|
1位 | 基町高校 | 37名 |
2位 | 広島女学院高校 | 29名 |
3位 | 広島大学附属高校 | 27名 |
4位 | 広島高校 | 26名 |
5位 | 国泰寺高校 | 25名 |
6位 | 舟入高校 | 16名 |
7位 | 城北高校 | 10名 |
8位 | 呉三津田高校 | 6名 |
9位 | 広島皆実・安古市高校 | 3名 |
広島から私立大学に進学となると基本的には関関同立を志望することが多いと思いますが、広島からMARCHに進む高校は案外多く、城北高校や広大附属などの中高一貫校も多くあります。女学院高校では推薦入試でMARCHに進学する方も多くいますね。
公立高校の中では、京大と同様に基町高校からの進学実績が多いです。舟入高校など他の高校からも進学があるので、MARCHに進学する場合にはある程度の学力がある高校であればどの高校に進んでも努力次第で実現可能です。
関関同立
近年では近畿大学の人気の台頭もあり序列の入れ替えも話に上がる関関同立ですが、やはり広島から関西圏に進む人も多く人気です。たし私立をメインに考える人よりも国公立大学のサブとして受ける人が一定数存在するため、ここの数値が高いからといって特別何かが優れているというわけではないです。強いて言えば、生徒たちの勉強に対する意識の高さでしょうか。
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 基町高校 | 213名 |
2位 | 広大附属福山高校 | 168名 |
3位 | 国泰寺高校 | 164名 |
4位 | 広島県立広島高校 | 163名 |
5位 | 舟入高校 | 142名 |
6位 | 福山誠之館高校 | 133名 |
7位 | 広島女学院高校 | 109名 |
8位 | 広島大学附属高校 | 98名 |
9位 | 城北高校 | 90名 |
10位 | 呉三津田高校 | 59名 |
11位 | 安古市高校 | 48名 |
12位 | 広島皆実高校 | 47名 |
関関同立の合格者数がMARCHよりも圧倒的に多いのは、同じ学生が2校以上合格していることと、関西圏の私立大学は受けやすいことが要因です。もちろん関関同立を第一志望としている方もいますが、国公立入試のサブ受験として関関同立を受ける方も一定数存在するということは肝に銘じておきましょうね。
実際に広島大学のサブとして関関同立を受ける生徒は広大研の中にも多くいます。広島大学への進学をメインに目指す高校であれば関関同立への進学も難しくないでしょう。
※ 今回は紹介していませんが、関関同立だけでなく産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)への合格者もこれらの高校にはかなりいます。国公立大学を受ける生徒がサブとして受ける大学群ですし、その分競争率が上がりますのでしっかり対策をしておきたいところです。特に近畿大学については東広島に工学部のキャンパスがあることもありかなり人気があります。興味がある方はオープンキャンパスに行ってみるのも良いでしょう。
いずれにせよ、MARCHと比較すると各地区のトップ校が多く進学していることがわかります。関関同立に合格したいなら各地区トップの県立広島高校に進学すれば十分目的を達成できると言えます。
広島大学
我らが広島大学ですが、中四国の中では岡山大学と同等に優秀な大学です。小さい頃から身近に広島大学があることもあり優秀な人材が毎年集まります。全国区で見ても優秀な生徒が各高校にどれだけいるかがはっきりするでしょう。
順位 | 高校名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 基町高校 | 55名 |
2位 | 国泰寺高校 | 46名 |
2位 | 広島県立広島高校 | 46名 |
4位 | 舟入高校 | 43名 |
5位 | 安古市高校 | 33名 |
6位 | 広島大学附属高校 | 30名 |
7位 | 修道高校 | 28名 |
8位 | 広島皆実高校 | 27名 |
8位 | 呉三津田高校 | 27名 |
10位 | 広島女学院高校 | 26名 |
11位 | 広島学院高校 | 25名 |
12位 | 広大附属福山高校 | 22名 |
13位 | 城北高校 | 10名 |
こちらの記事では2024年度版を紹介していますが、2025年度の広島大学への合格者数は基町高校がトップとなっています。
基町高校、舟入高校、県立広島高校、国泰寺高校の4校はやはり広島大学への進学実績が良い傾向に毎年あります。また、広島学院高校などの生徒は広島大学をメインターゲットとしていないので、進学が少なくなっています。
よくあることなのですが、「〇〇大学附属高校」が〇〇大学に進むことはあまりありません。今回のケースだと広島大学附属高校が広島大学に進むことは実は少ないんですよね(広島大学医学部への進学はたまに見かけるのですが)。
また、安古市高校や呉三津田高校といった地域トップ校も広島大学への進学者が一定数存在するため、わざわざ遠くの偏差値の高い高校を目指す必要はないでしょう。もちろん偏差値の高い学校にはそれ相応の人材が集まりますから、周りと切磋琢磨したい人は長い時間移動してまで偏差値の高い学校に通う価値があると言えます。
先ほどのリンク先のページでは各高校の広島大学進学割合も出しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なお、さっきも紹介しましたが広大附属や広島学院の生徒は広大の中でも医学部などに多く進む傾向にあります。医学部を目指す上で中高一貫の先取り指導はかなり有利になりますから、医者を目指すのであれば中高一貫校の受験を考えると良いでしょう。
全国の受験生の最新の傾向
次に全国の受験傾向を知りましょう!
ここまでは広島の各高校の進学実績をまとめてきましたが、受験で実際に戦うのは広島の高校生だけではありません。全国の高校生と受験競争をするわけですから、全国的な受験情報を知っておく方が有利になります。特に私立大学については全国から非常に多くの志望者が集まりますから、近年の傾向を知っておくと良いでしょう。
私立大学の難化?
2018年度入試あたりから叫ばれるようになったのが、私大の難化です。主な原因として、入学定員管理の厳格化が挙げられていますが、実際のところ、合格者数はさほど変化していないとのことでした。
では、なぜ「私大の難化」という声を多く聞くのでしょうか?
それは、ズバリ上位〜中位層が安全志向の受験を行ったと言えるでしょう。
その原因はもちろん上記の入学定員管理の厳格化による影響もあるのかもしれませんが、主に2020年度入試改革が最も影響したのではないでしょうか。
つまり、皆が浪人を避けたかった。そのために、安全志向の受験となり、ボーダー付近の受験生が軒並み不合格となったことで「私大難化」が叫ばれているのだと思います。
また、現在はほとんどの高校生が大学に入る「大学全入時代」になっています。ただ、全員が大学に進む分より良い大学へ進学したいという志向は高まります。より上位の大学の競争率が上がるわけです。さらに、大学側も単なる学力だけを求めるわけではなく、人物の個性や資質を測ることを重視した総合型選抜も増えてきています。
以上の影響で、私立大学の競争率は高まっていると言えます。
国公立への影響は?
先ほど説明した私立入試の影響は国公立大学にも作用しています。しかしその影響の対象は上位国公立大学ではなく、中堅以下の国公立大学です。3教科程度で受けられる私立大学よりも科目数の多い国公立大学の方が難易度は上がります。その分上位私立大学を受ける生徒が、中堅以下の国公立大学をサブで受けるといったケースが増えています。
逆に旧帝大などの難関国公立大学の難易度はあまり変わりません。基本的にこの大学群は3〜4科目を二次試験の難易度の高い問題を解けるまで高めることを求められます。共通テストについても、難化しようと易化しようと素地が出来上がっている旧帝大受験生に影響はそこまでないでしょう。
総合型選抜での入学を目指す方も私立大学同様増えています。例えば東北大学は2050年までに一般学力選抜を廃止し、総合型選抜に重きを置くようになります。今後もこの総合型選抜の増加傾向がおさまることはないでしょう。
以上を踏まえると、入試戦略はより一層複雑化しそうです。
広島の受験生の最新の傾向
ここからは広島の傾向について考察してみます。
こちらは各高校の合格校にどのような特色があるかを知っておきましょう。
自分の目標と合った高校に進めるように情報は必ず持っておきましょうね。
上位公立高校および中堅私立高校からの私大合格者が増加
全国的な流れと同様に広島でも上位層が難関私大への合格者を増やしています。2017年度入試までは私立大学合格者は私立高校の方が多い傾向にありました。
詳細はこちらから→【2017年度】広島の高校の進学実績を調べてみた件〈高校生から夜更かし〉
2024年度の結果を改めて見てみると、基町高校や舟入高校など上位公立高校が私大合格者を増やしていますが、女学院高校や城北高校をはじめとする私立の高校も私立大学への進学実績を高めています(広大研にも毎年一定数私立大学へ進学する方がいらっしゃいます)。
総合型選抜や推薦入試を利用する女学院高校なども進学実績が良いと言えます。広島は西日本にあるため、MARCHよりも関関同立のほうが受験者数は多いです。
さらに、近年は、産近甲龍への人気も高まってきています。
特に近畿大学は東広島の西高屋の方に工学部のキャンパスがあることでかなり人気が高いです。近畿大学は実家から通える修道大学以上の私立大学としてかなり良いポジションに収まっていると言えます。
広島大学への人気は変わらず
※動画は2018年のデータを元に作成したものです
広島大学は2018年度入試より新たに情報科学部と総合科学部国際共創学科が新設されました。
共に現代社会、グローバル問題に対応した学部・学科であり、そのコンセプトの分かりやすさもあってか、人気となっています。IT関係への就職を希望する生徒が情報科学部には集まります。また、文系受験の存在もあり入るチャンスが多いと言えるでしょう。また国際共創学科については、広島大学が文部科学省の指定するスーパーグローバル大学創成支援採択校として世界を目指した大学づくりをしていることもあり、かなり人気があります。留学などの制度も充実しておりこれからさらに人気が出ると予想できます。
以上を踏まえて、広島県内の高校からの受験者は全国最多であり県内からの人気は依然高いと言えます。公立トップ校群である「基町高校、県立広島高校、舟入高校、国泰寺高校」をはじめとする上位高校では広大志望がこれからも続くでしょう。
逆に私立高校では「東大京大、医学部医学科などをはじめとしたさらにレベルの高い大学」への志向及び上位私立大学への志向が継続するでしょう。
まとめ
ここまでいかがでしたでしょうか。
最新の受験データを基に、広島を取り巻く受験事情・傾向について書いてきました。
少子化ですが、まだまだ大学受験は厳しい状況は変わりません。
しっかりとした対策を行う必要があります。
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参考記事→広島の予備校「広大研」への入塾をオススメする受験生の特徴とは!?