大学入試での志望理由書の書き方とポイントを解説【 広島大学の学校推薦型選抜を例に解説】
「大学の推薦入試を受けたいけど、自己推薦書や志望理由書はどう書けばいい?」
そんな悩みを抱えている受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
近年、広島大学をはじめ、多くの大学では、多様な個性や意欲を持つ学生を積極的に受け入れる推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)に力を入れています。
しかし、学力試験だけでは評価されない分、自己推薦書や面接の出来が合否に大きく影響することから、不安を感じる人も少なくありません。
本記事では、広島大学の推薦入試における志望理由書の書き方を
- アドミッション・ポリシーの読み解き方
- 志望理由書の書き方のコツ
- 評価される志望理由書の具体例
- NGな志望理由書と改善例
などを、実際の合格者の視点も交えながら詳しく解説していきます。
大学の推薦入試を目指す皆さんにとって、自分の強みを最大限に伝えるためのヒントが詰まった記事となっていますので、ぜひ最後まで読み、今後の準備に役立ててください。
本記事の目次
志望理由書と自己推薦書の違い
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そもそも志望理由書とは何を書くべきなのでしょうか?
また、志望理由書と似たものに、自己推薦書というものもあります。
広島大学をはじめとしたいくつかの大学は、志望理由書と自己推薦書の両方を提出する場合もあるため、それぞれの特徴を理解し、内容が重複しないように注意が必要です。
志望理由書とは
志望理由書とは簡単にいうと、「なぜその大学・学部を志望するのか」を述べるためのものです。
大学側は、出願者がどれだけ自学部の特色や教育内容を理解し、進学後にどう学びたいか、明確な動機と将来像を持っているかを確認します。
主に求められる内容
- 志望動機(なぜその大学/学部なのか)
- きっかけとなる経験
- 学びたい分野・分野への関心
- 将来の目標との関係
- 高校生活での取り組みとの接点
自己推薦書とは
対して、自己推薦書とは、「自分自身を推薦するための文書」であり、自己PRに重点が置かれます。
高校生活の活動や経験から、受験生がどのような人物であるかを大学に伝えるのが目的です。
主に求められる内容
- 自分の長所・個性
- 高校生活での成果(部活動、生徒会、ボランティア等)
- 課外活動で得たこと
- 大学でどう貢献できるか
- 成長意欲・学びに向かう姿勢
志望理由書の基本構成と書き方の流れ
志望理由書は、単に「行きたいから」では説得力に欠けます。
大学側が重視しているのは、「明確な志望動機」「入学後のビジョン」「将来への展望」が一貫して筋が通っているかどうか。以下の3つの構成を意識して書くことで、相手に伝わる文章になります。
- 【序論】大学・学部を志望したきっかけと背景(動機の提示)
- 【本論】その大学・学部で学びたい内容と理由(目的の明確化)
- 【結論】入学後の目標と将来のキャリア像(ビジョンの提示)
この構成に沿って、あなたの経験や価値観を言葉にしていくことで、「なぜその大学でなければならないのか」「なぜ自分がふさわしいのか」が自然と伝わる志望理由書になります。
【序論】具体的な志望動機
志望理由書の冒頭では、なぜその大学を志望したのか、どのようなきっかけでその分野に興味を持ったのかを明確に伝えることが重要です。
たとえば
- 高校での学びの中で芽生えた興味
- 家庭や社会との関わりの中で感じた課題意識
- 将来像を考える中で出会ったロールモデルや経験
といった、「自分だけの体験」に紐づけることで、ありきたりでない説得力のある志望動機になります。
【NG例】「昔から憧れていたから」「知名度が高いから」→根拠が弱く、熱意や真剣さが伝わりにくい
【OK例】「高校の探究活動で、〇〇という社会課題に触れたことをきっかけに、△△の分野に関心を持った」
【本論】なぜその大学で、何を学びたいのか?
次に、「なぜその大学でなければならないのか」「その学部・学科で何を学びたいのか」を具体的に述べましょう。
ここでは、広島大学の
- 教育内容(カリキュラム、特色ある授業)
- 教員の研究領域やゼミ
- 学部独自のプロジェクトや地域連携活動
- 他大学にはない学習環境
などを調べた上で、自分の興味・将来像とどうリンクするかを示すことが求められます。
【NG例】「広島大学はレベルが高く、自分の成長につながると考えた」→どこでも通用する一般論
【OK例】「地域創生に関心があり、広島大学教育学部第三類の『地域に根ざした教育実習』を通じて実践的な学びができると考えた」
また、「〇〇のゼミに参加し、△△を研究したい」などのように具体的に言及できれば、志望度の高さがより伝わります。
【結論】将来どのように活躍していきたいのか
最後に、志望理由書の締めくくりとして、大学で学んだことをどう社会に活かしていくか、将来どのような人物になりたいかを明確に言語化しましょう。
- 将来の職業やキャリアビジョン(教員、公務員、研究者、企業人など)
- 学びの延長線上にある社会貢献のかたち
- 学んだ知識や価値観を、どのように活かすか
が具体的であるほど、志望理由書に「終着点」ができ、読み手の印象にも残ります。
【NG例】「将来は社会に貢献したい」→抽象的で誰にでも言える
【OK例】「将来は地域教育に携わり、地方の子どもたちに学ぶ楽しさを伝える教員になりたい」
このように、「志望動機 → 大学での学び → 将来の夢」が一本のストーリーとしてつながっていれば、非常に完成度の高い志望理由書になります。
【例文つき】広島大学向け 志望理由書のポイント
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広島大学の「志望理由書」で良い評価を得るためには、大学の アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針) に沿った内容を意識することが非常に重要です。
以下、公式情報をもとに「評価されるポイント」を整理・解説します。受験生・保護者はぜひ押さえておいてください。
広島大学のアドミッション・ポリシーから読み取れる「求める学生像」
広島大学が各学部で公表している「求める学生像」には、それぞれ学部ごとに次のような能力・姿勢が明記されています(アドミッション・ポリシーより)。
例えば、教育学部と薬学部のアドミッションポリシーについて確認してみましょう。
教育学部のアドミッションポリシー
教育学部では、21世紀にふさわしい学校教育の創造や生涯学習社会の構築に貢献できる幅広い社会的視野と豊かな課題探究力を有する人材の育成を目指しており、次のような学生を求めています。
(1) 高等学校での基礎的・基本的な学力を幅広くきちんと身につけ、自ら考え、学ぶ意欲を持つ人
(2) 広く人間の心や教育又は初等・中等教育における各教科に強い興味・関心・情熱を持つ人
(3) 自らの問題意識に基づいて、主体的に学修や研究を遂行し、物事に多面的、創造的にアプローチする人
(4) 子どもを愛し、将来、教員になることを希望する人、又は大学院に進学し、研究者や専門家になることを目指す人
https://www.hiroshima-u.ac.jp/nyugaku/policy/ap/03
薬学部のアドミッションポリシー
薬学部では、次のような学生を求めています。
(1) 高等学校段階での基礎的・基本的な学力を幅広くきちんと身につけ、特に理科(特に化学)・数学・英語に高い学力を有する人
(2) 化学や生命科学を積極的に学ぼうとする人、並びに医療や薬を必要とする人たちの立場を真に理解し、医療の質の向上、あるいは医薬品の創薬と薬学研究の進歩発展に貢献したいと考える人
(3) 大学院に進学して最先端の創薬科学を学び、国際的にも活躍できる創薬研究者・技術者・次世代医療開発者、高度医療情報提供者、環境・衛生技術者等の職能人となることを志す人。あるいは、高度な知識と技術を身につけ、チーム医療の中で科学的観点から意見が言える専門性の高い薬剤師となることを志す人
https://www.hiroshima-u.ac.jp/nyugaku/policy/ap/14
このように、学部によって、求める学生像はさまざまです。
これらのアドミッションポリシーをよく理解し、その内容に沿った志望理由書を作成することが大切です。
広島大学の志望理由書における評価ポイント
以上を踏まえて、志望理由書で特に評価されやすいポイントを以下のようにまとめます。
項目 内容・チェックポイント
① 大学の示すアドミッションポリシーとの整合性の明示
自分の志望動機が、広島大学が公表する「求める学生像」に沿っていることを示す。
例えば、「思考力・判断力・表現力を発揮した経験」「主体的に学んだ体験」「社会性・地域・国際への関心」などを具体的に盛り込む。
② 具体的な経験・エピソード
「なぜその学問に興味を持ったか」「どんな活動をしたか」「どのような成果や気づきがあったか」を具体的に記述し、その経験が志望動機にどう繋がるかを明確にする。
③ 自己理解と独自性
他の受験生と差別化できる「自分だけの経験」や「視点」を盛り込む。
例えば、趣味・部活動・地域活動・ボランティアなどで自分がどんな価値を感じたか・どのように成長したかを具体的に書くと良い。
④ 学習意欲・継続性の明示
ただ興味がある、好きだというだけでなく、「これを掘り下げたい」「困難でも努力してきた」「これからも努力できるモチベーションがある」など、意欲を具体的に示す。
⑤ 将来展望の明確さ
卒業後どう活かしたいか、社会あるいは学問にどう貢献したいかについて詳しく記述する。
漠然とした「将来社会のために」というより、「こういう業界 / 研究 / 教育に進みたい」という具体性があると評価されやすい。
⑥ 表現力・構成力 読みやすく論理的に構成されている
「導入 → 動機 → 学びたい内容 → 将来像」という流れを意識する。
また、文中の言葉遣い(「〜だ。〜である。」または「〜です。〜ます。」の統一など)にも注意する。
志望理由書で「評価される書き方」のポイントまとめ
- 志望動機は「出発点(経験・興味)→ 広大でその興味をどう伸ばしたいか → 将来どう生かしたいか」の流れで論理的に書く。
- 上記の「求める学生像」の各要素を、自分のエピソードで裏付ける。
- 表現力を大切に:読みやすさ・語彙・文法を丁寧に。
- 書いた後はチェックリストで「大学が求める学生像との一致 / 具体性 / 自己理解 / 将来性」などを確認。
広島大学志望者ための志望理由書の例文と解説
ここまでの内容を踏まえて、具体的に広島大学の学部ごとの志望理由書の例文を一部作成して記載しておきます。
どのように志望理由書を書けばいいのかお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
志望理由書例(広島大学 経済学部 経済学科)
私は、経済格差や地域の過疎化といった社会問題に対し、理論とデータに基づいて解決策を導き出す力を身につけたいと考え、広島大学経済学部経済学科を志望します。
きっかけは、高校の授業で学んだ「地方経済の衰退」に関する内容でした。特に、私の地元でも商店街の空き店舗が目立ち、若者が都市に流出している現状に対して無力感を抱いていました。その後、自分なりに人口推移や自治体の政策資料を調べる中で、「経済の仕組みを理解し、政策立案や地域活性に関わる仕事がしたい」という思いが芽生えました。
広島大学の経済学部では、基礎理論だけでなく、計量経済学や統計分析などの実証的手法も体系的に学べることを知り、強く魅力を感じました。また、地域経済の再生や国際経済への理解を深めるカリキュラムが整っている点も、私の学びたい内容と一致しています。さらに、現実の社会課題に対して「なぜそうなるのか」を追求し、論理的に思考する学風にも共感しています。
将来は、地方自治体や地域金融機関、あるいはコンサルタントとして、地域経済を支える仕事に携わりたいと考えています。そのためにも、大学4年間で幅広い経済分野を学び、課題発見力・分析力・政策提案力を磨いていきたいです。
高校時代に培った探究心や、地道なデータ分析に取り組む姿勢を活かし、広島大学経済学部での学びに真摯に向き合いたいと思います。
志望理由書例(広島大学 教育学部第三類 国語文化系コース)
私は人間の「言葉」と「物語」が持つ力に魅せられており、広島大学 教育学部 第三類 国語文化系コースで学ぶことで、国語教育を通して人々の考えや文化をつなぐ架け橋となりたいと考え、志望いたします。特に、小中学校での国語授業で、「読む」「考える」「書く」活動を通じて生徒が自分の意見を持ち発表する姿を見た経験から、「教える側として言語文化を深く理解し、子どもの思考力を育てたい」という志望が芽生えました。
私が国語文化への関心を育てたきっかけは、高校2年の国語の授業で古典文学と現代詩を対比させ、言葉遣いや比喩表現が時代や地域によってどのように変化し、それが人の心にどのような影響を及ぼすかを分析した課題です。そのとき、「言葉とは単に伝えるツール以上のもの」であると実感し、文化や歴史、地域性が織りなす言語のあり方をもっと深く学びたいと思うようになりました。
また、生徒たちが言葉で表現する際の壁—語彙の限界、表現方法の未熟さ、思考の組織の不安定さ—を見てきたことが、私に教育法や教材開発への関心を抱かせました。貴学では「言語文化教育学プログラム」を通じて、古典・現代の両面から日本語文法・表現技法・教材論・児童心理学など多様な角度から言語教育を学ぶことができると存じます。
私はこのプログラムで学んだ知識を将来、小中学校の教師として還元し、子どもたちが「言葉を楽しみ、深く考え、自分の言葉で表現できる」よう導く指導がしたいと考えています。
志望理由書例(広島大学 薬学部 薬科学科)
私は将来、創薬研究者として、現代医療では治療が難しい病に苦しむ人々の希望となる新しい薬の開発に携わりたいと考えています。そのため、薬学・薬科学の教育と研究が充実している広島大学薬学部薬科学科を志望します。
創薬の道を志したのは、高校1年のとき、手術でしか治療できない病気を患った女性が、自身の身体に残る手術痕に深い悩みを抱えている姿をテレビ番組で見たことがきっかけです。「病気が治っても、傷跡が人間関係や自己表現に影響してしまう」という言葉が心に残り、薬による治療ならば、そうした外見的・心理的負担を和らげることができるのではないかと考えるようになりました。医療は「治すこと」だけでなく、「その後の人生の質」まで見据えるべきだという視点を持つようになり、創薬研究の意義を強く感じました。
私は疑問を持ったことをそのままにせず、納得がいくまで調べ、考えることが得意です。創薬に興味を持って以来、日常生活でもドラッグストアに並ぶ市販薬の成分表示に注目するようになりました。成分名や化学構造、それぞれの作用機序などを自ら調べる中で、薬に関する知識の奥深さと、自分自身の好奇心の強さを再認識しました。
広島大学薬学部薬科学科では、薬の作用や合成に関する専門的知識に加え、医療現場を支える研究マインドや、生命現象を分子レベルで理解する力が身につくと伺っています。さらに、最先端の研究設備と国際的な共同研究の機会が整っている点も、創薬に真摯に取り組みたい私にとって非常に魅力的です。
将来は、基礎研究から臨床応用へと繋がる橋渡しができる創薬研究者として、病に苦しむ人々に新たな選択肢を届けたいと考えています。その目標を実現するために、広島大学での学びを通じて、科学的探究心と実践的な研究力を高めていきたいです。
志望理由書例(広島大学 生物生産学部 生物生産学科)
私は幼少期から自然環境や生き物に強く惹かれており、「持続可能な食料生産」や「生物資源の適切な利用」を通して、人と自然が共生できる社会の実現に貢献したいと考えるようになりました。そのため、広島大学生物生産学部 生物生産学科で学び、生命科学と応用生物生産の双方を体系的に修めたいと思い、この学科を志望いたします。
高校3年時、生物の授業で水圏生態系の調査実験を行った際、水質の異なる河川での藻類の種類や繁茂の度合いを観察し、自然環境の変化が生態系にどのように影響を与えるかを実感しました。このとき、生物資源の保全と生産のバランスを取る研究や技術の重要性を強く認識し、将来は「応用動植物科学プログラム」または「水圏統合科学プログラム」を通じて、環境保全と生産技術の両立を学びたいと考えています。
また、私は課題に取り組む際、実験・観察・データ分析を丁寧に行うことを心掛けてきました。部活動では理科研究部に所属し、植物の成長条件による変化を定量的に記録・比較するプロジェクトを遂行しました。この経験を通じて、仮説を立て、実証実験を行い、結果を分析して改善するサイクルの楽しさを知りました。
広島大学では、生物生産学部が提供する多様なプログラム(応用動植物科学・分子農学生命科学など)を通じて、実験技術と理論の両方を磨き、将来は持続可能な農業・食品生産・資源循環の分野で研究や社会実装に寄与したいと考えています。
志望理由書のNGパターンと改善例
逆に志望理由書のNGパターンの例文も一部作成して挙げておきます。
このような志望理由書になってしまっていないか注意しましょう。
NG志望理由書例(法学部志望)
私は昔からニュースを見るのが好きで、社会のことに興味を持っていました。正義感が強く、人を助けたいという気持ちがあるので、法学部に進学したいと考えています。小さい頃から「弁護士はかっこいい」と思っていたので、将来は法律に関わる仕事をしたいです。
広島大学法学部は有名な国立大学で、就職先も幅広く有利だと聞いています。国立大学は学費も安く、しっかりした教育が受けられると思うので志望しました。私は高校で政治・経済の授業が好きで成績も良かったため、大学でも法律に関する勉強ができると思います。実際にはまだ法律のことは詳しく知りませんが、入学してからしっかり学びたいです。
将来は弁護士になるか裁判官になるかはまだ決めていませんが、人の役に立てる仕事ならどちらでもいいと思っています。大学では多くの人と交流し、視野を広げたいと考えています。法律は難しいと聞きますが、努力して頑張りたいです。私は人と話すことが好きなので、大学で友達や先生と交流してさまざまなことを学びたいと思っています。
高校生活では部活動と勉強を両立させてきました。具体的な実績はありませんが、継続して取り組む力はあると思います。法学部に進学したら、この粘り強さを活かして授業やゼミに取り組みたいです。法律のことを深く学んで、将来はどんな形であれ人々の生活に役立つことができれば良いと思っています。
NGポイント
① 動機が表面的
「正義感がある」「弁護士はかっこいい」など抽象的・印象的な理由に留まっている。
具体的なきっかけ(ニュースや体験、模擬裁判、ボランティアなど)を挙げ、法学への興味の深まりを示す。
② 大学選びの理由が弱い
「有名」「国立で学費が安い」「就職に有利」という一般的な理由のみ。
広島大学法学部のカリキュラム・専門分野・演習・ゼミ内容などを調べ、それが自分の関心とどう合致するかを書く。
③ 将来像があいまい
「弁護士か裁判官かどちらでもいい」という表現は主体性に欠ける。
まだ決めかねている場合も「現時点では弁護士を目指しているが、○○の分野に関心がある」と方向性を示す。
④ 自己PRが薄い
「継続力があると思う」など自己評価のみで裏付けがない。
模擬国連・討論・ボランティア・読書・課題研究など、関連する活動や実績を示す。
⑤ 文章構成が散漫
「動機→大学→将来像→自己PR」の順が崩れ、同じ表現が繰り返されている。
「きっかけ→大学で学びたいこと→将来像→自分の強み」の流れで構成を整える。
⑥ 受け身な表現が多い
「入学してから学びたい」「役立てれば良い」という表現は消極的に見える。
「大学で○○を学び、○○に挑戦し、○○を実現したい」という能動的表現に変える。
改善済 志望理由書例(広島大学 法学部 志望)と改善ポイント
私が法学部を志望するようになったきっかけは、高校2年生のときに経験した模擬裁判の授業です。学校内で開催されたこの授業では、私は「検察官」役を担当し、証拠を整理し、主張を論理的に組み立てて発表しました。このとき、法律がただのルールではなく、人々の権利や生活を守るために存在するものであることを肌で感じ、大きな感動を覚えました。以降、法学に対する関心が高まり、進路として真剣に考えるようになりました。
→きっかけが具体的:「模擬裁判の授業」での体験を明確に記述
数ある大学の中でも広島大学法学部を志望する理由は、理論と実務の両面を重視した教育が受けられるからです。特に、1・2年次の法学基礎教育を経て、3年次以降に専門演習で自らの関心に応じた法分野を深められるカリキュラムに魅力を感じています。また、公共政策や国際関係など法学の枠を越えたテーマにも触れられる点も、広い視野を持ちたい私にとって非常に魅力的です。将来的には、地域社会の課題解決や制度設計に携わる政策立案や公務の分野に進むことを視野に入れています。
→なぜ広島大学か:カリキュラム(基礎〜演習)と分野の広がりを明示
→将来像が明確:「政策立案や公務」など方向性と動機を具体的に示す
高校生活では、放送部に所属し、ディベート活動にも力を入れてきました。校内外の大会では、自分とは異なる価値観を持つ相手と議論を交わすことで、論理的思考力と多面的な視点を磨くことができました。また、文化祭や地域イベントでは司会進行を務めるなど、人前で話す経験を積んできました。こうした活動を通して培った「調査・構成・発信」のスキルは、大学でのレポートや発表、将来の法学的実践においても活かせると考えています。
→自己PRに裏付けがある:放送部・ディベート・司会などの具体経験を記述
法律を学ぶことは、複雑な社会の仕組みを理解し、多様な立場を尊重しながら適切な判断を下す力を養うことだと考えています。広島大学法学部で学ぶことで、自らの視野と知識を広げ、他者と協働しながら社会に貢献できる人材に成長したいと強く願っています。
→能動的で意欲的な表現:「活かせると考えています」「成長したいと強く願っています」
納得のいく志望理由書は「準備」で決まる!
大学の推薦入試を目指す上で、志望理由書や自己推薦書の完成度は合否に直結します。
そのためには、単に文章を書くだけでなく、志望校の特色やアドミッション・ポリシーを正確に読み解く分析力と、自分の過去の経験や強みを言語化する自己分析の丁寧さが不可欠です。
特に志望理由書では、「なぜその大学・学部を選ぶのか」「そこで何を学び、どう成長したいのか」「将来どのように社会に貢献したいのか」を、論理的かつ具体的に伝える必要があります。
今回の記事では、広島大学の推薦入試に特化して、志望理由書と自己推薦書の違いや、志望理由書で評価されるポイント、そしてNG例と改善例を交えながら、受験生がつまずきやすいポイントとその対策を網羅的に解説しました。
大学が求める学生像を深く理解し、自分自身の言葉で「なぜこの大学に行きたいのか」「なぜ自分はふさわしいのか」を語れることこそが、推薦入試を突破するための最大の武器です。
今このタイミングで、しっかりと自己と志望校の分析を行い、後悔のない書類を完成させましょう。
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