【大学受験】古文主語把握のコツをつかむ!
みなさんこんにちは!
広大研公式ブログ編集者の橋本です
今日のテーマは【古文の主語把握】について
古文が苦手な高校生の多くが「主語がわからない」「誰が何してるのかわからない」「主語が分からないから話が読めない」と言って相談に来てくれます
確かに、古文は主語がよく省略されて話が取りにくくなるので気持ちは分かります
でも、この主語把握には【コツ】があります
今回はそのコツについて3つほど話していくので、その内容を理解し実際に文章を読んでみてください!
古文の基礎
これから主語把握の【コツ】について話していくわけですが、その前にできていないといけない事があります
皆さんがこれから読んでいくのは「古文」であり、現代語とは多くの点で異なります
つまり、現代人の感覚で読んでも古文世界での感覚は掴めません
ここまで言えば、察しの良い皆は僕が何を言いたいのか予想つきますよね?
そう、読んでいく前に必要なのは「古文単語」「古文文法」「古文常識」です!!
これができないとお話にならないので、ここは8割以上は大丈夫という状態にしておいてください
「単語」は皆が使っている単語帳を、
「文法」は助動詞の識別や助詞(特に接続助詞・終助詞)、敬語や和歌の修辞の知識を、
「常識」は『マドンナ古文常識』等で詰めておいてください
これらそれぞれがだいたい8割くらいは頭に入っているなら、このコツはかなりの効果が期待できます!
逆に4割とかの状態だと効率が落ちてしまうので、先に上記の基礎項目を完成させることをオススメします
単語帳
みんなが使っているものを、とは言いましたが、僕のおススメの単語帳を紹介しておきます。
- 読んでみて覚える重要古文単語 315
- Key Point いろはにほへと 330
他にもいい参考書はたくさんありますが、書店でも手に入る単語帳で僕のおススメはこのあたりになります。
もし今使っている単語帳が自分に合わなくて、別のものを使いたいと思っている人がいれば参考にしてください。
古典文法
文法の参考書として僕がおススメしているのは、
- ステップアップノート30
- 古典文法をはじめからていねいに
こちらも書店で手に入り、かつ自学でも進めやすい参考書になっています。
文法ばかりやって頭でっかちになるのも考えものですが、古文を読解していくうえで最低限の文法知識はどうしても必要になってきます。
基本的な助動詞の用法や、敬語法、助詞の知識や見た目が同じ語の識別方法など、文章を読み始める前にやらなければならないことはたくさんあるので、
こういった文法用の参考書できちんと知識は身に付けておきましょう。
主語把握のコツ
前置きが長くなってしまいましたが、ここから本格的に主語把握のコツについて話していきます
言葉だけで考えるのが難しければ、手元に古文の文章を用意してそれを参考にしながら理解していってください
主語の省略
古文では主語がよく省略され、そのせいで文章が読めなくなってしまいます
そもそもなぜ主語は省略されるのでしょうか?
答えは簡単、「書かなくても分かる」からです
つまり、省略される主語は「既に話で登場している人」、もしくは「文脈的に言わずとも理解できる人」ということになります
友達と話している時を想像してみてください
「今日の朝ごはん、何食べた?」
「カレーライス食べたよ」 |
この場合、「食べた?」の主語は「あなた」、 「食べたよ」の主語は「僕」になりますよね
これは主語が省略されていますが、書かれていなくてもわかりますよね
古文の文章でも、これと同じことが起きているだけです
ですから、主語がない場合は「前に出てきた人」もしくは「場面的に分かる人」が省略されているのだと考え、主語に該当しそうな人を絞ってください
ちなみに、上の例は「場面的に分かる」場合ですね
助詞の活用
2つ目が「助詞」です
今回は特に「接続助詞」のルールについて説明していきます
接続助詞とは、上の語や文にある一定の条件(仮定や因果関係、逆接関係など)をつけて、下の語や文に続ける働きをする助詞の事を指します
例えば、
あしく探れば、無きなり 「下手に探すから、無いので」 |
この場合は「ば」が接続助詞となり、因果関係「~ので、~から」という条件をつけてくれます
また、他にも重要な接続助詞はあるので、前述したとおり「文法」として助詞の知識は身につけておきましょう!
さて、この接続助詞ですが、文中で主語を把握するのに役立つことがあります
「て」「で」「つつ」のルール
接続助詞「て」「で」「つつ」で文が繋がっている場合、
前後での主語は同じである場合が多いです
現代語で考えると、よりわかりやすくなります
朝起きて、御飯を食べつつ、テレビを見て、歯を磨かないで、カバンを持って、学校に行く |
この例文は「て」「で」「つつ」で文を繋ぎましたが、主語は全て「僕」のままですよね
このように接続助詞「て」「で」「つつ」は主語は同じままに文を繋ぐことができます
「を」「に」「ば」のルール
接続助詞「を」「に」「ば」で文が繋がっている場合、
前後での主語は変わる場合が多いです
僕が彼に聞けば、答えると思うよ |
この場合、「聞く」のは僕ですが、「答える」のは彼ですよね
これは「ば」を使った例ですが、「を」「に」も同様に前後で主語が変わることが多いです
あくまで「多い」だけ
ここまで接続助詞のルールを説明してきました
この説明の中で僕は「変わらないことが多い」「変わることが多い」という表現を使いました
このような言い方をしたのは理由があるのですが、みんなそこに意識を向けたりしたでしょうか?
言い方からも分かると思いますが、
実はこの「接続助詞のルール」、絶対ではありません!
「て」「で」「つつ」で繋がれてるのに「主語が変わっている」、
彼女に殴られて、泣いてしまった ⇨ 「泣いた」のは「僕」 |
「を」「に」「ば」で繋がれてるのに「主語が同じ」なんてことも普通にあります
彼女が僕に、ピザをくれた ⇨ 「くれた」のは「彼女」 |
ですから、ここで紹介した接続助詞のルールはあくまで参考程度に考え、絶対ではないと認識しておいてください!
ルール通りに読んで意味が取れないなら、接続助詞のルール適応外だと思って柔軟に読解するようにしましょう!
述語に注目
3つ目のコツは「述語」に注目することです
例えば、「校舎裏で女の子が好きな人に告白している」なんて青春のワンシーンに出くわしてしまった時、
「あ、告白してるのか。タイミング悪かったな」 |
この場合、文の主語は「する側」、すなわち「女の子」になりますよね
これは、述語「告白する」や「場面状況」から読み取れます
また、
「あ、告白されてるのか。タイミング悪かったな」 |
この場合の文の主語は「される側」、すなわち「男の子」になりますよね
これも、述語「告白される」や「場面状況」を考えると同様に読み取ることができます
このように、述語が把握できれば、主語は自ずと分かります
また、その場の「状況」も考慮して主語を判断できるようになるとなお良しです
まとめ
これで「主語把握のコツ」は終わりになります
色々と話をしましたが、理解できたでしょうか?
理解できたなら第1段階はクリアです!
第2段階は実際に文章を読んでいく中で生かせるかどうかです!
理屈が頭に入っていても、それが使えなければ意味がありません
道具を持っているだけで終わってしまうのでは、ここまで話を聞いてくれたみんなの時間も無駄になってしまいます
だから、あとはみんなが文章を読んで、主語把握の正確性を上げていくだけです
短くても良いので様々な文章を読んで、話の流れをつかむ練習をして少しでも主語が取れるように訓練をしておきましょう!
大丈夫、正しく努力をしていれば必ず読めるようになります!
僕は文章読み過ぎて、「コツ」とか考えなくても自然と読めるようになりました
「経験」に勝るものはありません
最初は難しいかもしれませんが、慣れてくると自然とスピーディに文章が理解できるようになってくるので、週に1~2回は文章を読んで練習をしておくようにしましょう!
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