【プロが解説】広島大学の二次試験(英語)の傾向と対策
こんにちは、広大研代表講師の山口です。
本記事では、広島大学の二次試験の中でも難関と言われる英語の傾向と対策について書いておきます。
自己紹介をすると、私は2011年度に広島大学を現役で合格してその後、広島の進学塾『広大研』でプロ講師として数々の広大合格を導いてきました。
広大英語に関しては専門的に指導してきましたので、その経験と実績でもって皆さまにプラスになる情報を、
つまりは赤本に書いてあるような表面的なアドバイスでなく、具体的でかつ実践しやすい方法をお伝えできたらと思います。広大対策としてオススメな参考書もいくつか紹介するので、そちらも参考にしてみてください。
何卒、本記事を信頼して頂きまして、最後まで読み進めてもらいますようお願い致します。
それでは広大英語の難易度と、各大問の出題形式から話していきます。
本記事の目次
広島大学二次試験英語の傾向
年度 | 大問 | 内容 |
2023 | 〔1〕要約
〔2〕読解 〔3〕英作文 〔4〕英作文 |
500語程度の英文を60字×5パラグラフ分要約する
500~700語程度の2つの関連した英文を照らし合わせながら読む online service についての自身の考えを100語程度で書く 日本人の留学に関する資料を100語程度で要約する |
難易度:広大英語ってどれくらい難しいの?
・本格的記述力が問われる良問
・バラエティ豊富で時間制約が厳しい
広大英語についてその全体像を述べると、まず一言目に「難しい」です。なぜ難しいかと言うと
①出題形式がバラエティに富んでいてかつ特殊である
②どの大問でも本格的な記述問題有り
③それでいて時間制約が厳しい(120分)
英語を特に得意とする学生が集まる教育学部第三類英語文化系コースの合格平均点も60~65%程度なので、80%以上の高得点を取ることは医学科志望でもない限り無謀ではないかとも思います。
共通テストで平均点も取れないようではまず太刀打ちできないでしょう。
広島大学に合格したいのであれば、あなたは英語を「武器にする」必要があると言えます。
出題形式:どんな問題が出るの?
・差が付きやすい要約問題(200字以上)
・特徴的な図表を用いた自由英作文
広大英語は大きく分けて2つのパート、ReadingとWritingに分かれます。
それぞれ傾向と対策を確認しましょう。
Readingでは本格的な要約問題と、2つの長文が組み合わさった超長文が出題されます。
記述式の問題が多く、それも単なる和訳問題とは異なり英文を深く理解した上で内容を説明する力が問われます。
また要約問題では、文章全体を理解しそれを構成立ててまとめる必要があるので、英語力と同時に国語力も問われるところになります。
Writingでは自由英作文が計2つ出題されます。
ひとつはあるトピックに関して自身の考えを英語でまとめる問題、またもうひとつは与えられた図表を英語で説明する問題となっています。
80~100語で書かせる問題が多いですが、だいたい書くと平均して15~20語になると思うので、計5,6文程度が課題を見てすぐに書き上げるように練習を積む必要があります。
使える表現をなるべく多く覚えて、理想的にはどんな課題が出たとしてもその表現を繋ぎ合わせて解答が作れる状態にしたいです。
私が対策方法を動画にしているので、もし良ければ参考にしてみてください。
広島大学二次試験英語の対策と参考書
広大研代表講師山口が提案するプラン!
・自由英作文を素早く仕上げよう
・長文読解・要約問題にしっかり時間を使おう
時間配分と解答順
1. 自由英作文2題(30~40分)→ 2. 要約(30~40分)→ 3. 長文読解(残り時間で)
試験において解答する順番は勿論各自の自由なのですが、「この問題、時間があればできたのに…」という悲劇が起きないために、素早く点数が取りやすいところは先に解く、ということが大事だと思います。
自由英作文は、ちゃんと正しい方法で対策すると、素早くかつ満点近い解答を作ることが可能だと思います。
ここで時間を短縮して、どうしても時間のかかる長文読解・要約問題にしっかりと時間を使うのが、広大研が提案するプランです。
英作文(Writing)対策
・受験生としての合格解答 ≠ 赤本の模範解答例
・過去問は必ずプロに添削をしてもらう
広大英語で合格の鍵を握っているのは、ずばり自由英作文だと思います。
広大の英語は時間制約の厳しい試験なので、この英作文の大問でいかに素早く(目標は15分ずつ)かつ完成度の高い解答を作れるかどうかで大きく変わってくるのかと思います。
ここで注意して欲しい心得としては、受験生としての合格解答は、赤本の模範解答例と異なるということです。
赤本の模範解答は、英語力の相当に高い専門家が書いています。それも、自分の解答が世に出る訳ですから、プロとして恥ずかしくない解答になるように時間を掛けに掛けて作っています。受験生が、限られた試験時間の中でそれに近い解答を作ることは現実問題難しい(不可能)です。
勿論、赤本の模範例の中で自分にも使えるなと思う表現に関しては真似してみると良いですが、実際、あなたが合格点を取ることに必要なのは、基本的な英語の論理構成のルールに沿って書くこと、そしてなるべく簡易な表現でもって書くことです。
つまりは、ひと通りの基礎英文法を学び終えた中学3年生がすらすら読めるような「分かり易い文章」を心掛けると良いと思います。
また、あなたの解答で「合格点を取れるのか」をプロに添削してもらう必要があります。
英作文の上達は、何よりも実際に書いてそれを添削してもらうことにありますから、なるべく多くの演習をしてそれを必ず学校や塾の先生に添削してもらってください。
英作文の対策としては、「難関大のための上級問題 特訓ライティング」を用いて学習すると良いと思います。
こちらの参考書には、英作文を書き上げる際の思考プロセスや、使える表現集が載っていますし、また広大に独特な図表問題も扱われているので、広大志望者には特にオススメできるのではないかと思います。
長文読解(Reading)対策
・とにかく記述問題を多く解こう
・過去問よりも長めの英文(700語以上)に慣れよう
第2問の長文読解では、2つの関連した英文を照らし合わせながら読みという独特の形式となっています。
全体的には記述問題が多いので、基本的な語彙と英文解釈の勉強が終わらせ、記述問題が豊富に載っている長文問題集で練習を積んでください。
広大研では単語の参考書として「ターゲット1900」や「速読英単語(必修編)」
英文解釈の参考書としては「基礎英文解釈の技術100」や「ポレポレ英文読解」
で学習することをオススメしています。
長文演習としては、「イチから鍛える英語長文シリーズ」が良いと思います。
こちらは比較的新しい教材なのでまだ知らない方も多いのではないかと思います。しかし、記述形式の問題が豊富であって、問題の質も良く、また解説が充実してあって、CDまで付いている数少ない参考書なので、広大を初めとした、全ての国公立大学を志望する受験生にオススメできるものです。
300, 500, 700とword数によってレベル分けされているので、まずは300から始め、500までは必ず取り組み、余裕がある人は700までできると広大でも十分ではないかと思います。過去問より長い語数の長文に慣れておくと過去問が楽に解けるようになるので、是非700まで挑戦してみてください。
ここで注意しておきたいのですが、広島大学に出題される長文のテーマとして、
科学論「科学における反証可能性(falsifiability)」(2012年度)や、言語論「移民によってアメリカの英語は脅かされるのか?」(2014年度)など内容的に高度な文章も見られます。
日本語においても、知らないな、とっつきづらいな、という文章は理解しにくいということがあると思いますが、できれば入試頻出トピックに関してある程度知っておいて欲しいと思います。
こちらは「話題別英単語リンガメタリカ」をオススメしていて、入試頻出トピックの理解とともに、語彙力強化、また繰り返し音読学習を行うことで速読力UPにもつながるので一石三鳥です。
突然ですが、プロ講師から広大の長文問題へのアプローチ法として、2つアドバイスしておきます。
1つ目は、広大は指示語や代名詞の内容が問われることも多いので、日頃からこれらが何を指しているのか考える癖をつけましょう。指示語はThis「それ」と言って分かる訳ですから、それが指す内容は、基本的にはThisの直前などの近くにあるものです。
2つ目には、論の流れを明快にするディスコースマーカーと呼ばれる語に注意して読んでいきましょう。例えば、On the other hand(対比のディスコースマーカー)を長文内で見たときは、何と何を、どういう観点で比べているのかを考えて欲しいのです。
深い内容理解を問う広大の問題において、これらの力は必須ではないかと思います。
要約問題対策
・採点基準となる要素を意識して書こう(プロに添削してもらうこと)
・ディスコースマーカーに注意して読もう
広大英語の最大の難関、要約問題ですが、問題形式としては500語程度の文章を読み、それを200語以上の日本語でまとめるといったものです。
まず指定された字数についてですが、何があっても守ってください。(守れなかった場合は、もう知りませんよ)広大の場合は270~290字といった形で指定されるので、ちょうどその枠で過不足なくまとめましょう。
重要なのは、どのように解答が採点されるのかを知っておくことです。
要約の採点は、予め用意された模範解答(採点基準)があり、その基準のうち何個を解答の中に入れられているのか、で採点されます。つまり、ただ字数を埋めようと「だらだらと」書いたとしても、ほとんど点数はない訳です。アドバイスとしては、具体例に文字数を使わない(使いすぎない)ように注意することと、比喩的な表現などは避け,シンプルで読み手が分かり易いような解答でまとめましょう。
解答要素の見付け方としては、英語の文章の書かれ方(論理構成)を知ると良いです。
具体的に言うと、英文は各パラグラフでトピック(そのパラグラフで言いたいこと)を初めに挙げ、続く文でそれを説明していくという「分析的展開」を行いますから、特にパラグラフの初めに何が書いてあるのか注意しましょう。
特に筆者が伝えたいことは、ちゃんとそれが伝わるようにディスコースマーカー(論理の流れを明快にする語)を用いて書かれる傾向があります。ディスコースマーカーが何か、またどのように読んでいくべきなのかは、「ディスコースマーカー英文読解」を参考にすると良いです。
この参考書の題材は全て要約問題なので、要約が課される広大対策としてこれ以上のものはないと思います。
広大研では、効果的な広大対策が行えます!
逆転合格専門塾『広大研』では、毎年数々の広大合格者を輩出してきました。
広大に合格するためのノウハウが詰まった密度の濃い授業、また、要約問題・自由英作文の添削などを初めとした、過去問対策個別指導も行っています。
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