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【大学受験】超絶簡単!漢詩の解釈法!

橋本 一毅
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橋本 一毅
逆転合格塾 広大研 広島駅前校 英語科国語科講師 中学受験ゼミ主任講師 広島大学教育学部卒 広島城北中・高卒 広大研にてE判定から広島大学教育学部へ現役合格。広大研卒塾後、すぐに講師として参画した。自らが体感した広大研の逆転合格メカニズムを授業に反映させている。 読書家であり、高い語彙力を生徒たちに披露している。担当科目は国語、英語、受験コンサルティング授業。

こんにちは

広大研講師の橋本です

9月も終わりに近づき、以前より過ごしやすくなってきましたね

夜にもなると少し肌寒いくらいです

季節の変わり目は体調を崩しやすくもあるので、体調管理にはできる範囲で気を付けましょう

さて、今回のテーマは「漢詩の解釈」です

特に古文の和歌が苦手な人は「漢詩」と聞くと同じようにアレルギー反応を引き起こすのではないでしょうか

何となく嫌われがちな「漢詩」ですが、実は 超絶簡単に解釈できます

そんな「漢詩の解釈」についてお話していくので、この場で基礎的な解釈方法を理解して実践してみてください!

それではやっていきましょう!!

1. 漢詩の基礎知識

何事においてもそうですが、勉強する上では最低限の知識は入っていないといけません

こればっかりはどうしようもないので、堪えて覚えるものは覚えてください

1-1 漢詩の種類

漢詩には大きく3種類が存在します

名前を直接問われることは少ないですが、必要知識ではあるので知っておいてください

※ ◎は韻字、△は韻字になる時・ならない時がある

※ =は対句となる

⑴ 絶句

〔句数〕四句

〔一句の字数〕五字 ➔ 五言絶句

七字 ➔ 七言絶句

 

〔上下並び〕

起句 〇〇〇〇△ 、 承句 〇〇〇〇◎。

転句 〇〇〇〇〇 、 結句 〇〇〇〇◎。

 〔横一列並び〕

起句 〇〇〇〇△、

承句 〇〇〇〇◎。

転句 〇〇〇〇〇、

結句 〇〇〇〇◎。

⑵ 律詩

〔句数〕八句

〔一句の字数〕五字 ➔ 五言律詩

七字 ➔ 七言律詩

〔上下並び〕

首聯 〇〇〇〇△ 、 〇〇〇〇◎。

頷聯 〇〇〇〇〇 、=〇〇〇〇◎。

頸聯 〇〇〇〇〇 、=〇〇〇〇◎。

尾聯 〇〇〇〇〇 、 〇〇〇〇◎。

〔横一列並び〕

首聯 〇〇〇〇△ 、

〇〇〇〇◎。

頷聯 〇〇〇〇〇 、

〇〇〇〇◎。

頸聯 〇〇〇〇〇 、

〇〇〇〇◎。

尾聯 〇〇〇〇〇 、

〇〇〇〇◎。

⑶ 古詩

〔句数〕十句以上

〔一句の字数〕自由

以上3種類が受験漢文に出てくる漢詩の形種類になります

これは基礎の知識として必須なので形や名称はきちんと押さえておきましょう!

1-2 押韻と対句

次は「押韻」と「対句」についてです

⑴ 押韻

押韻とは「 偶数句末の音読みした際の母音をそろえる 」ことを言います(七言の場合は第一句末△も揃うことがある)

今でも「韻を踏む」と言いますよね。その「韻」と同じです!

現代っ子風に言うと、ラップですね! Zeebraさんなど、名前を聞いたことがある人も居るのではないでしょうか?

言わば、漢詩とは昔の中国のおっさんたちのラップなんです!

ただ、説明だけではわかりにくいかと思いますので、実際にどういう形になるのかみて見ましょう!

首聯 ーーーーー ーーーー 待(tai)

頷聯 ーーーーー ーーーー 来(rai)

頸聯 ーーーーー ーーーー 開(kai)

尾聯 ーーーーー ーーーー 梅(bai)

この律詩の場合は、偶数句末を音読みすると母音が全て「 ai 」で揃っていますよね

起句 ーーーー 望(bou)

承句 ーーーー 山(san)

転句 ーーーー 頂

結句 ーーーー 間(kan)

また、この絶句も、偶数句末の母音が「 an 」という音で揃っていますね

第一句末△は今回は音が揃っていないので、押韻しているとは言えないのも分かってもらえるかと思います

ちなみになんですが、皆は「音読み」と「訓読み」の違いをちゃんとわかっているでしょうか?

おそらく小学校の漢字の勉強に出てきたと思うのですが、意識して使っている人はあまりいないですよね

ただ、漢詩をやる上ではこの違いを知っておく必要があるので、ここで軽くまとめておきましょう!

【音読み】

・中国から伝わった音をそのまま読んだもの

聞いても何を指すのか分からない

【訓読み】

・日本人が分かりやすいように読み替えたもの

聞いただけで何を指すのか分かる

といった感じでしょうか

例えば「 山 」で考えてみましょう

音読みをすると「 さん 」となり、訓読みをすると「 やま 」となりますよね

「 さん 」では何を言っているのか分からないですが、

「 やま 」と言われたら指しているものは分かると思います

押韻を考える時は、今の話を一つの基準として考えるようにしましょう!

⑵ 対句

対句とは隣接する二句の形(主に品詞)の順番が同じになるものをいいます

律詩で言うと「三句と四句」「五句と六句」が対句の形を取ります

対句の話でよく使われる李白の「送友人」の一部をを例に見てみましょう!

〔一句〕青山 北郭に 横たわり  〔 青山北郭

〔二句〕白水 東城を 繞る    〔 白水東城

「送友人」では「一句と二句」が対句の形になっています

形を比べ見ると、どちらも

名詞 動詞 名詞 」と並び、「 名詞 ➔ 名詞 ➔ 動詞 」と読んでいるのが分かりますね

このように品詞の順番をそろえて読むものを対句と言います

長々と話してしまいましたが、ここまで大丈夫でしょうか?

基礎的な知識として問題を解く上でも必須にるので、きちんと押さえておきましょう!

2. 漢詩の解釈

さてさて、お待たせしました

ここからが「漢詩の解釈」の話です

最初にも言いましたが、「漢詩の解釈」は超絶イージーです

というもの、「 解釈のコツ 」は一つしかないので、それさえ押さえてしまえば後は読む練習をするだけです

そのコツというのが、「句読点をつけて読む」ことです

「は?」と思われるかもしれませんが、漢詩が読めない人はこの作業を全くと言っていいほどやっていません

僕からしたらあり得ないです、ヤバ過ぎますね

この「句読点」をどこに振るかというと、

奇数句末には「、」を、偶数句末には「。」です

漢詩と言っても1つの文章ですから、ちゃんと区切って読めばカタマリとして内容が取れるため非常に読みやすくなります

〔上下並び〕

起句 〇〇〇〇△ 、 承句 〇〇〇〇◎。

転句 〇〇〇〇〇 、 結句 〇〇〇〇◎。

〔横一列並び〕

起句 〇〇〇〇△、

承句 〇〇〇〇◎。

転句 〇〇〇〇〇、

結句 〇〇〇〇◎。

先ほどの「漢詩の種類」の説明の箇所でも、このように句読点を打っています

この「句読点」を打つか打たないかで、読解のしやすさはかなり変わります

漢詩が全く読めないという人は、① 基礎知識 ② 句読点を打つ

の二つを実践しながら読んでみてください

センター試験 本試 2007年の漢文の問題が難易度的にも程よいかと思いますので是非練習してみてください!

3. 練習

ここでは大学の二次試験で出題された漢文を題材にして簡単に解釈してみましょう!

※ 古詩『放旅雁(旅雁を放つ)』の一節からの抜粋です

※ 汝:雁 ※ 健児:兵士 ※ 箭羽:矢につける羽  ※ 兵窮:兵器が底をつくこと

官 軍 賊 軍 相 守 老  食 尽 兵 窮 将 及 汝

健 児 飢 餓 射 汝 喫  抜 汝 翅 翎 為 箭 羽

この白文を「句読点」を入れて書き下すと、

官軍と賊軍と相い守りて老れ 、  食尽き兵窮まりて将に汝に及ばんとす 。

健児は飢餓して汝を射て喫い 、  汝の翅翎を抜きて箭羽と為さん 。

となります

「句読点」を入れることで、二句を一文として解釈できるようになり内容がかなり取りやすくなります

これを解釈してみると、

官軍も賊軍も互いに戦い疲れ 、  食料や兵器も底をつき今にもお前(雁)に及ぼうとしている

兵士は空腹からお前を射落として食べ 、  お前の翅を抜いて矢につける羽にしようとしている

となり、解釈もしやすいですよね

簡単にまとめると、

「兵士が戦い疲れ、食べ物も兵器も無くなったから、雁を捕って食べて翅は武器に活用しようとしている」という文章です

ちなみに、実際の入試では「将及汝」とはどういうことかを具体的に説明させる問として出題されました

ここまで解釈できた皆なら答えも分かりますよね?

「食料と兵器が底をついた兵士が、雁を撃ち落として、その肉を食べ、羽を矢につける羽として使おうとしているということ」

がこの問での答えになります

言っていませんでしたが、これは東京大学2011年度の漢文の問題からの出典になります

興味がある人は、受験生でなくとも十分に読めるレベルの文章なので是非チャレンジしてみてください!(基礎的な句法知識は必須だよ!)

4. まとめ

いかがだったでしょうか?

以上が、簡単な「漢詩の解釈」についての説明になります

僕はこのやり方が結構読みやすいと考えていますが、もし他にも楽な解釈法を知っていれば教えてもらえると嬉しいです

内容を理解してもらえたなら、後は実践あるのみ!

絶句や律詩での演習がしたい人は、センター試験の過去問を漁ってください

古詩での演習がしたい人は、東京大学の過去問をオススメしておきます

記述形式で一見難しく見えるかもしれませんが、意外と簡単です

僕もクラス指導で東大の漢文を扱っていますが、最初に比べると皆読めるようになってきました

今後も国語のお役立ちブログを書いていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします!

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橋本 一毅
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